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December 30, 2011
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みなさんはもうお仕事はお休みですよね?故郷に戻りこたつでテレビをご覧になって
みかんを食べてらっしゃるのでは?

ところで、少し話題は遡りますが
クリスマスイヴには、バチカンで教皇が恒例のミサを行うのをご覧になった方はいらっしゃいますか?
実は歴史上、ただ一人女性にして教皇になった人がいたのです。本書はそんな女性にスポットを当てた小説です。

女教皇ヨハンナ
Pope Joan

活版印刷もまだ無かった9世紀、ごく短い間、在位についた女性教皇がいた。ヨハンナ、教皇ヨハネスがその人である。


史実を交えながら、彼女の生涯をドラマティックに描いたフィクション。彼女については、既に塩野七生が『愛の年代記』に「女法王ジョヴァンナ」として登場させている。だが、塩野氏版の彼女は、本書とは幾分印象が違う。イタリア人の奔放さを良くも悪くも持ち合わせた女性であると言ったら良いか。せっかく教皇という地位に就いたのに、浮気心が仇になり、悲惨な最期を遂げてしまう。著者はそんな彼女の死を、どこかで自業自得として、冷徹に突き放して見ているように感じられたのだ。


だが本書でヨハンナは、学習意欲と向上心に燃えていた若き女性として登場する。彼女にとって不幸だったのは、一番味方になってくれるはずの肉親が、悉く敵であった事だ。一家の期待の星であり、ヨハンナのよき理解者であった長兄が死ぬと、ヨハンナは「自分が兄の代わりに勉強する」と言う。だが聖職者の父から返って来たのは、「兄が死んだのはお前のせいだ」という、全くいわれの無い叱責だった。被征服者として連れて来られた母は、自分と同じ異教の神を讃えず、征服者の神を学ぶ娘を非難する。兵士に憧れ聖職を嫌う次兄も、自分より優秀な妹を恨む。どんなに窮地に追い込まれても、彼女は決して敵対する者と同じように、策略を用いない。あくまでも機知によって切り抜け、数少ない理解者の援助を得て、様々な壁に打ち勝っていく。そんなヨハンナには、狡猾さも自堕落さも見当たらない。「神の前に平等」と言いつつも、教会自体に依然として残っていた性差別の中で、あくまでも自らの信念を貫く彼女の姿は、とても誇らしい。教皇への経緯についても、うまく立ち回ったというよりは、人柄が信頼を受けて、懇願された形を取っている。恋愛面に関しても、塩野版とはまったく異なり、純愛追求型の女性として描かれている。心から愛した男性と、運命の皮肉で長く引き離され、やがて出会った時には、自分一人で進退を決められぬ身に。重い責務と愛との間で悩み苦しむ彼女の姿は、決して軽はずみなものではない。教会の権威よりも、弱者救済に献身的に尽くした彼女は、正に理想の教皇だ。男であれば、後々まで賞賛されたろうに、女であるから今なお正典からは無視されている。だが、どんなに巧妙に抹消されようと、ただ一つ、蓋をしておく事はできないのだ、真実を求めてやまぬ、人間の探究心だけは。本書はまさに、幾世紀隔てた同性の、探究心の賜物とも言える。


『エリザベス』のマイケル=ハーストが脚本を担当し、『ブリキの太鼓』を監督したフォルカー・シュレンドルフによって映画化決定。



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最終更新日  July 29, 2014 06:15:17 AM
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