映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、おはようございます。

探偵ネロ・ウルフを知っていますか？
そしてその作品の中に何と日本のタイトルをつけた病気が登場するのです！

黒い蘭 ネロ・ウルフの事件簿 (論創海外ミステリ)
Neo Wolfe Vintage Detective Stories:
Black Orchids
レックス・スタウト/著 鬼頭玲子/訳

　名探偵ネロ・ウルフが好きなものは二つだけ。蘭と美食。でも、ミステリにはもう一つ欠かせない要素がある。美女だ。残念ながら、そちらはネロ・ウルフとは縁がない。なぜなら彼は七分の一トンの巨漢だから。ニューヨーク西三十五丁目にある自宅兼事務所には、グルマンなウルフを満足させるシェフと、蘭専門の世話係がいて、人に会わずとも用が足りてしまうのだ。いやはや、典型的な安楽椅子探偵なのだが、椅子がキシキシ音を立てそうな探偵だ。更に、ウルフの助手アーチ―・グッドウィンは、ウルフの細々した用を有能に片づけてくれるばかりではなく、なぜか若い美女によりつかれる性質なので、これで美女も確保。いや、名探偵と助手とくれば、もうおひとかた、定番キャラとして、彼等の引き立て役である「ちょっと間が抜けた警察」もいなくちゃね。はい、こちらも準備万端、クレイマー警部が控えており、警察がウルフに出し抜かれる所を撮りたいと狙っている記者までいる。とまあ、ストーリーを構成するメインキャラの紹介はこんなところ。

　　「黒い蘭」では、何と久留米黄変病なる病が登場。日本と久留米の名誉のために言っておくが、架空の病だ。世界珍種の蘭を巡る殺人事件が起こったものだから、めったに外出しないネロ・ウルフがアーチ―には任せておけずにフラワーショーに出現。「献花無用」は幼馴染みで親友のシェフから頼まれて、殺人の濡れ衣を着せられた男のために一肌脱ぐことに。「ニセモノは殺人のはじまり」は「元美女だった」と名乗る女性からとんでもないものを預かったアーチ―に巻き込まれる形で、ウルフがシークレットサービスと渡り合う。ウルフからはちょっと馬鹿にされているアーチ―だが、どうしてどうして、一般人の感覚で見ると頭の冴えがよく、美女が寄ってくるというふれこみだからきっと外見もハンサムなはず。ステディを登場させないのは、やはりストーリーをあまり広げないためか。そんなアーチ―執筆と言う触れ込みのエッセイ「ネロ・ウルフはなぜ蘭が好きか」では、ホームズほどではないにしろ「自分以外はみんな馬鹿」だと思っているウルフが、何と蘭に話しかける姿まで暴露されている！

　「黒い蘭Black Orchids」「献花無用Omit Flowers」「ニセモノは殺人のはじまりCounterfeit for Murder」中編3つとアーチ―・グッドウィンの「ネロ・ウルフはなぜ蘭が好きか」というエッセイが収録。初めての人にも読み易いセレクトの中編集。

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黒い蘭 ネロ・ウルフの事件簿 (論創海外ミステリ)[本/雑誌] / レックス・スタウト/著 鬼頭玲子/訳​​CD＆DVD NEOWING​

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