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2011.11.29
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テーマ:ニュース(99440)
カテゴリ:その他
ネトウヨの機関紙こと産経新聞が、またまた面白い記事をアップしています。

論説委員長・中静敬一郎 叙勲にみる元将軍たちの処遇

11月3日に発表された生存者叙勲における元自衛官の処遇に違和感を覚えた。元陸上自衛隊北部方面と東部方面の総監(陸将)、空自の航空総隊司令官(空将)といった元将軍たちが受章したのは瑞宝中綬章だったことに、である。
叙勲とはそもそも、自己を犠牲にして国家・社会に尽くすような行為を評価するために存在している。自衛官は入隊時、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め…」と宣誓する。
国家の命令があれば、どんな危険な任務に対しても尻込みせず、国家・国民の負託に応える。
このことは東日本大震災での救援や原発への放水作業などで国民の目に焼きついた。国家が適正に評価しなくてはならないのは、自分を犠牲にして公共のために尽くした行為だ。それがなければ、国家への忠誠心が薄まるのは避けられない。
米国では最高位の勲章は現役の軍人だけが叙勲対象であり、大統領でももらえない。
しかし、日本国はそうした栄誉を自衛官に授けていないのである。
今回最高位となった桐花大綬章は河野洋平前衆院議長に授与された。大綬章は5人、重光章は45人。それに次ぐ中綬章は353人。元将軍たちと並び、各大学名誉教授や各省庁の局長経験者などが名を連ねる。
公務員としての経歴を判断材料に元将軍は中綬章、それ以外は小綬章としていることがうかがえる。
背景には、制服組トップの統合幕僚長ですら、任免が天皇陛下から認証される「認証官」として処遇されていないことなどもある。
栄典制度は平成15年、勲一等など数字による等級を廃し、危険な公共業務に従事した人たちの功労を評価するなどの改革が行われたが、もっとも重要な「国家がどのような行為を尊い行為として考えているか」は曖昧のまま放置されてきた。その基準を明確に示すことができないこと、いわば国家の背骨の欠落が日本の迷走と混乱の一因ではないか。

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いや、さすがはネトウヨの機関紙だけあって、目の付け所が違います(笑)かなり明後日の方向に視点が行っている。
私も叙勲という制度には、「何だかなあ」と思わざるを得ません。だいたい勲章にランク付けがあること自体も疑問ですし、叙勲の対象が政治家や公務員(高級官僚)に偏重しているところも疑問を感じます。高級官僚が一般公務員や民間企業の会社員と比べて、何か特別に功績がある、などということはあまりないんじゃないかと思うのです。

だけど、それにしてもネトウヨ新聞の目の付け所には恐れ入ります。この記事の言い分によると、「叙勲とはそもそも、自己を犠牲にして国家・社会に尽くすような行為を評価するために存在している。」そうです。とりあえず、この定義については異論を挟まずに(※)考えてみます。
どう考えたって、陸将や空将が「自己を犠牲にして国家・社会に尽くすような行為」を行うわけではありません。今回の震災の例でいえば、被曝のリスクを背負って原発への放水を行ったのはヘリコプターのパイロットであって、将軍たちではありませんし、自衛隊だけではなく東京消防庁も原発への放水を行っています。被災地で救援活動も同様です。被災地の救援活動の実務に携わったのは、基本的には士や曹などの末端の自衛官のはずです。中隊長や連隊長も現地に張り付いていたでしょう。その奮闘には敬意を表したいところです。でも、師団長が現地に張り付いていたかどうかは疑問ですし、方面隊総監や高空総隊司令が被災地に張り付いていたとは思えません。視察くらいはしたでしょうが。

そもそも産経のコラムが書いている「元陸上自衛隊北部方面と東部方面の総監(陸将)、空自の航空総隊司令官(空将)といった元将軍」というのが具体的に誰かを調べてみたら、北部方面隊総監大越兼行元陸将(1997年退職)、東部方面隊総監澤田良男元陸将(1996年退職)、航空総隊司令官宮下裕元空将(1993年退職)といった方々で、つまりみんな10年以上前に退職しているんだから今回の震災とは全然関係がないのです。
だいたい、自衛隊は実に幸いなことに、創設以来実戦に参加したことがなく、戦死者を出したこともありません。訓練中や災害派遣中の死者はいますが。あえてうがった見方をするなら、このコラムの言い分は、「自衛隊は実戦に参加させて戦死者を出してもいいように、叙勲で優遇しろ」と言っているようにも見えるのです。何だかすごく嫌な感じです。
一方、警察や消防は任務中の死者をある程度出しています。平時においても警官は年間に7~8人、消防職員は年間20人前後の殉職者が出ているそうですが、今回の震災では、消防職員と消防団員が200人以上、警察官も20人以上が一挙に殉職しています。また、津波に襲われた役所の中には、職員の大半が亡くなったところもあります。最後まで防災無線に張り付いて、「早く逃げて」と叫びながら亡くなった女性職員の話が以前新聞記事に取り上げられたことがありました。

こういった人たちに高位の勲章を出せという主張なら、まだ理解できます(前述のとおり、私は勲章に等級を付けるのはどうかと思いますけど)。だけど、実際に殉職した人や支援活動に従事した人を差し置いて、自衛隊のトップにいたというだけの人に対して、特別に高位の勲章を出せなんてのは、一言でいって「馬っ鹿じゃないの」ということに尽きるのです。

※日本で叙勲制度が始まったのは、1875年のことですが、最初の叙勲の対象は全員が皇族でした。言うまでもなく、そのとき叙勲された皇族たちは「自己を犠牲にして国家・社会に尽くすような行為」を何かやったわけではありません。つまり、叙勲という制度の始まりは天皇制を演出するための仕掛けの一つというわけです。





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最終更新日  2011.11.29 22:29:08
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