|
テーマ:政治について(19808)
カテゴリ:政治
<安倍首相>消費増税、再延期へ 「リーマン前に似ている」
安倍晋三首相は26日、来年4月に予定されている消費税率10%への引き上げを再延期する意向を固めた。現在の世界経済の情勢を2008年のリーマン・ショック直前と似ていると分析。予定通り増税した場合は、経済が急速に悪化する懸念があり、政権が目指すデフレ脱却が困難になると判断した。 首相は26日、伊勢志摩サミットに出席後、記者団に「今回のサミットで、世界経済は大きなリスクに直面しているという認識については一致することができた」と強調した。 首相は首脳会議で、世界経済に関し、エネルギーや食料、素材などの商品価格について、資料を示しながら「最近の14年6月~16年1月にはリーマン・ショック前後の08年7月~09年2月と同じく55%下落した」と指摘。さらに中国など新興国や途上国の投資伸び率については「リーマン・ショック後の09年は05年以降では最低の3.8%だったのに対し、15年は2.5%とさらに落ち込んだ」など繰り返しリーマン・ショック時との比較に言及した。 首相はこうした説明を踏まえて「リーマン・ショック直前の洞爺湖サミットで危機の発生を防ぐことができなかった。そのてつは踏みたくない」と強調。そのうえで「世界経済は分岐点にある。政策対応を誤ると、危機に陥るリスクがあるのは認識しておかなければならない」と訴えた。 首相はこれまで、消費増税について「リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り実施する」と繰り返し発言していた。リーマン級にはなっていないが、その「直前の状況」に似ているとして延期を決めれば、増税延期の理由を変更することになる。延期しても「アベノミクスの失敗」ではないと主張できると考えているとみられる。 首相は14年11月に10%への引き上げの延期を表明した際に、「再び延期する必要はない」と説明していた。このため、自民党内には「再延期する場合には国民に信を問わなければならない」として、夏の参院選と同時に衆院選を行うべきだとの声がある。 --- 消費税の10%への引き上げを再延期するのは、(延期ではなく白紙に戻すべきとは思うけど)正しい選択だと私も思います。現状日本の景気が全然よくないことも明らかです。ただ、リーマン前に似ているかというと、そりゃどうでしょうか。というか、私の仕事上、あんな事態に遭遇するのは二度と御免なので、リーマンショック前と似ている、なんて事態は考えたくもないのですが、それはともかくとして、リーマンショックは世界的現象でした。100年に1度とも、1929年の世界大恐慌以来ともいわれます。100年に一度がそんなに頻繁に起こるようなら、それは100年に一度ではなかった、ということになります。もっとも、日本に限定するなら90年代にバブル崩壊というものもありましたが。 長い目で見れば、現在の状況はリーマンショック後のふらつきの一部、といえるのではないでしょうか。1929年の世界大恐慌だって、そのあと経済の上がり下がりはありましたが、10年後の第二次大戦勃発まで、世界経済はその影響から完全に脱することはできませんでした。 ただし、リーマンショックは世界的現象だったけれど、今不況にあえいでいるのは、世界全体ではありません。 結局のところ、リーマンショックという外的要因による不況になぞらえてごまかしているけれど、実際のところはアベノミクスが失敗だった、ということに尽きるのではないでしょうか。自らの政策を失敗だったと認めたくない、しかも、「リーマンショックのような自体が起こらない限り消費増税を実施する」と断定してしまったので、つじつまを合わせるために「リーマンショック前に似ている」などとでまかせを言うしかない、ということでしょう。 個人所得が落ち込んだまま回復せず、個人消費が上向かない、それなのに財政出動をいくらやったって、それだけで消費が拡大するわけがありません。ただ財政赤字が膨らんでいくだけです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[政治] カテゴリの最新記事
|