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カテゴリ:戦争と平和
「辺野古完成は早くて2037年」 米軍幹部、計画変更にも言及
米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画を巡り、在沖縄米軍幹部は7日、米軍の活動に関する報道機関向けの説明会で、「代替施設の完成は早くて2037年になる」との見通しを明らかにした。立地面での戦術的な優位性は「普天間の方が辺野古よりも高い」とも語った。 辺野古沿岸部の埋め立て予定海域では軟弱地盤の改良工事が必要となっている。玉城デニー沖縄県知事の承認が得られたとしても、改良工事の開始から基地の提供まで12年かかると防衛省も試算している。 米軍幹部は普天間飛行場などで開いた説明会で、完成の見通しを「早くて37年」とし、計画されているV字形滑走路などについて、個人的な見解として「予算や政治的な都合で変更があるかもしれない」と述べた。 また、普天間飛行場は沖縄本島西海岸の高台に立地しており、中国などが軍事活動を活発化させている海空域をレーダーなどで監視するには「理想的」な立地と説明。一方、移設先の辺野古は本島東海岸にあり、西側に山があることが監視活動の妨げになるとした。 米軍幹部は辺野古の新施設の利点として港湾施設の追加や給油施設の拡大などを挙げたが、滑走路が普天間飛行場の3分の2ほどの長さになるなど運用面での「ネガティブな要素」も複数あると指摘。「純粋に軍事的な観点では普天間が優れている」とした。(以下略) --- 普天間基地の返還が日米で合意したのは1996年のことです。そして、普天間基地単純に返還ではなく、辺野古に移設する、という案の大枠は1997年に固まています。もちろん、沖縄県はその案に反対しているし、私も反対ですが。 それでも工事は強行されて今に至っています。最初の返還合意から27年経っており、しかも工事が順調に行ったとしても、基地完成まであと14年かかる、というのです。最初の合意からは41年も経つ計算です。 しかも、米軍は辺野古には移りたくない。これは、以前から言われていたことであって、改めて再確認されたに過ぎないことですが。引用記事が指摘する純軍事的な面でも、付随する「便利さ」という視点(辺野古は周囲に都市がないのに対して普天間基地は市街地の真ん中)でも、米軍にとって辺野古に建設される基地より、普天間基地の方が使いやすいと考えていることは明らかです。 しかも、辺野古基地建設現場は、「マヨネーズのよう」とも形容される、分厚い軟弱地盤です。 軟弱地盤上に建設された海上の飛行場といえば、関西空港という前例がありますが、関西空港における軟弱地盤(沖積層)の厚さはせいぜい20m程度に過ぎません。もちろん建設に先立って地盤改良工事も行われました。それでも、関西空港は1994年の一期工事開港、2007年の二期工事開港から、3~4m地盤沈下しており、定期的なジャッキアップを今も行っています。 ところが辺野古基地の建設地の軟弱地盤は厚さ70m、関空の3倍以上にも及ぶのです。単純計算では、10m以上も地盤沈下しても不思議ではありません(もちろん、そんな単純計算どおりにはならないでしょうが)。 そのため、例え工事がうまくいっても完成は2037年以降、という話になってくるわけです。関空のようにジャッキアップで何とかなるレベルなのかは分かりません。もちろん、完成した瞬間に即普天間基地を閉じて全部辺野古に移設できるわけもなく、仮に2037年に基地ができても普天間基地の返還は2040年くらいにはなるでしょう。そして、辺野古新基地に少しでも不具合があれば、米海兵隊は普天間基地を手放したくない。 つまり、辺野古基地は無理矢理完成させました、しかし普天間基地は返還されません、ただ巨費を投じて米軍基地を1カ所増やしただけです、というふざけた結果になる可能性は高い、と考えざるを得ません。 誰も喜ばない辺野古基地建設ではなく、海兵隊には国外に出て行ってもらう前提での普天間基地の返還に舵を切るべきです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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誰も喜ばない辺野古基地建設ではなく、海兵隊には国外に出て行ってもらう前提での普天間基地の返還に舵を切るべきです。 前にもコメントしたかと思いますが、一部には、基地を日本国外ならぬ沖縄県外に移すべきであるというご意見の持ち主もいますね。 //www.amazon.co.jp/dp/4087207900 うんなもんなんら現実性ないじゃん、どこの馬鹿な地方公共団体が米軍基地を受け入れる、移転費用を日米両政府が出すんかよと思いますが、そもそも沖縄県外への基地移転なんて、負債のグループ企業への付け替え、借金の家族による肩代わりみたいなもので、なんら事態の解決になりません。海兵隊は日本から出て行ってくれ、移転先に日本側は感知しないというものでしょう。 (2023.11.10 20:04:41)
すみません、断るほどのことではありませんが、拙コメントの
> 海兵隊は日本から出て行ってくれ、移転先に日本側は感知しないというものでしょう。 の前に、 あるべき姿は、 と追加します。 (2023.11.10 20:07:45)
Bill McCrearyさん
国内の県外移設、候補地はありますよ。 例えば硫黄島(伊豆諸島の方の) そして南鳥島 いずれも東京都です。現在は島にもその周囲にも住んでいる人はいないので、住民に迷惑は掛かりません。 ただ、米軍が多分そんな辺鄙なところに行くのは嫌だ、ということになるのでしょう。候補地に挙がったことはありませんね。 かつて民主党政権は「最低でも県外」を掲げたわけですが、結局手を挙げる自治体はありませんでしたね。 (2023.11.12 10:08:16)
あ、そうですね。離島という手がありましたね。ただそれは、仰せの通り米軍が拒否するでしょうし、現段階日本政府もそういうことをする意思はなさそうです。
なおこちらの記事 //takase.hatenablog.jp/entries/2018/02/25 によると、 > 「引き取る・大阪」は、府内に8カ所の引き取り候補地を挙げている。埋立地・夢洲(ゆめしま)、関西国際空港や八尾空港、伊丹空港など。候補地の近くで街宣を行なうが、八尾空港は住宅に近く、数年に一度はセスナ落下事故があるだけに、引き取りに強い反発を見せる市民がいるという。 って、そんなこと当たり前じゃんですね。そんなことに賛同する馬鹿な市民がどれくらいいるのか。「いるという」でなくて、ほとんどそうでしょう。たいていの人間は、「そんなこと実現しっこない」と考えて、相手にしないだけでしょう。 ところで記事の内容とは若干違いますが、昨日までにこちらの本を読み終えまして、非常に勉強になりました。inti-solさんも、未読でしたらおすすめします。 //www.amazon.co.jp/dp/4874988504/ 横田と嘉手納が北朝鮮爆撃の拠点となったことが詳細に記されていまして、またB29が墜落して、近隣住民も巻き添えになったことも記されています。沖縄国際大学でのヘリコプター墜落事故など、米軍は、自国の基地では絶対しないような不祥事を日本ではしでかしているし、したらしたでもう少しまともな対応をするでしょうが、そんなことすら日本ではない。米国では、普天間のような住宅密集地に基地なんかない(ていうか、普天間ほどひどい立地条件の基地は他にない模様)。 (2023.11.13 10:10:12)
Bill McCrearyさん
大阪府内なんて、どう考えても実現可能性はありませんね。 >朝鮮戦争 無差別爆撃の出撃基地・日本 林博史先生の著作ですか!これは興味深いです。沖縄戦の集団自決問題では著作がありますし、私も参考にしました。 (2023.11.14 06:43:49) |