一部性描写が含まれております。苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
「あ・・」
ルドルフが瑞姫の内腿にそっと舌を這わせると、瑞姫が甘い嬌声を上げた。
そっと中心へと手を伸ばすと、そこには蜜で溢れ、指先で触れるとクチュリという水音がした。
ルドルフはそこで、瑞姫が普通の身体ではないことを知った。
「ミズキ、お前は・・」
ドレスの中から顔を出したルドルフを見た瑞姫は、憂いを帯びた黒い瞳で彼を見た。
「そうです・・わたしは、両性なんです。」
彼は溜息を吐いて近くの椅子に腰を下ろした。
「いつから自分が両性だと知った?」
「余り昔の事なので良く憶えていません。人に裸を見られてはいけないと誰かからきつく言いつけられていましたから、それだけは憶えているんです。あの、こんなわたしを気持ち悪いだなんて思っていませんか?」
瑞姫はそう言うと、じっとルドルフを見た。
「いや・・少し驚いただけだ。わたしはお前の事を気持ち悪いとか思ったことはない。出逢ってから一度も。」
「そうですか。それなら、あなたに身体を委ねられます。」
瑞姫はそっと椅子から立ち上がると、ルドルフに抱きついた。
「わたしを、抱いてください。」
黒い瞳に宿る真摯な光を見たルドルフは、その瞳にたじろいだ。
「わかった。」
その後、どちらともなく2人は唇を重ねた。
ルドルフの手でドレスを脱がされ、それが床にふわりと落ちた。
コルセットを緩め、彼は瑞姫をベッドへと運んだ。
「本当に、いいのか?」
「ええ・・」
ルドルフは瑞姫の唇を塞ぐと、首筋を吸いあげた。
「あぁっ!」
瑞姫は喘ぎながらも、ルドルフのタイを緩め、彼の胸元を露わにした。
「わたしにも・・キス、させてください・・」
瑞姫はルドルフの首筋を吸いあげると、彼は耳元で荒い息を吐いた。
「もう、いいかな?」
「はい・・」
ルドルフの顔が下肢へと沈んだ途端、瑞姫はシーツの上で弓なりになった。
彼の舌と指で愛撫され、翻弄された瑞姫は口端から涎を垂らし、甘い嬌声を上げていた。
「ミズキ、愛してる・・」
熱を孕んだ蒼い瞳が、瑞姫の潤んだ瞳とぶつかった。
「わたしも・・」
大きく逞しい手から伝わる体温を感じ、瑞姫は心が安らいだ。
ルドルフが中に入ってきた時、また“彼”の声が聞こえた。
―必ず迎えに来るからね。その時は君を抱くよ。君の純潔は・・
「あぁ、いやぁ!」
緩やかだった律動が徐々に激しさを増し、瑞姫は思わずルドルフの背中に爪を立てた。
「大丈夫か?」
ルドルフは瑞姫を慮り、腰を引こうとしたが、瑞姫はそれを拒むかのように彼の足に自分のそれを絡めた。
「余りにも快くて・・お願いです、続けて下さい・・」
「そうか・・」
ルドルフはそっと瑞姫の唇を塞いだ。
2人が動く度にベッドが軋み、カーテンの中で睦み合う2人の姿がゆらゆらと揺れた。
共に絶頂に達したルドルフと瑞姫は、熱を孕んだ瞳で互いの顔を見つめ合った。
「痛くはなかったか?」
「ええ・・あなたのリードが上手かったから。」
ルドルフは瑞姫の言葉に笑うと、再び彼の唇を塞いだ。
瑞姫はルドルフの胸に顔を預けながら、ゆっくりと目を閉じた。
同じ頃、ウィーン市内の路上で1人の男がフード越しに路地の向こうに見えるホーフブルクを見ていた。
「やっと見つけた・・黒羽根(くろはね)の子・瑞姫・・」
男はそう言って笑うと、煙のようにその姿を掻き消した。
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