原発をテーマにした小説ですが、作品に登場する関東電力という会社が、東電をモデルにしているのではないかと思ってしまいましたし、最終章の原発のメルトダウンで住民達が避難するシーンが福島原発がメルトダウンして避難している住民達の姿と重なりました。
安全性の欠陥が指摘されているにも関わらず原発を再稼働した結果、再び悲劇が起きてしまったという皮肉な結末を迎え、何だか未来の日本を見ているかのようでした。
「歴史は繰り返す、一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」というカール・マルクスの言葉が作品冒頭に登場しましたが、その言葉が持つ重みを読み終わった後感じました。