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今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

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2019.03.16
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詩集「バタフライ効果」(17)

著者:金指安行(下田市在住、著者の第三詩集)

発行:二○一八年十一月三十日

発行所:ルネッサンス・アイ

発売元:白順社

 

手掛かり

 

いちめんの(すすき)の野原で

人らしい影が立ち止まっている

夕方の光を浴びて

影のように薄くなったり

またはっきりと現れたりする

 

こんな所に投げ出されたら

誰だって戸惑うだろう

行く先は何処なのか

どこを目指して行けばよいのか

 

考えてみれば

みな似通っている

たまたまこの世に生み落とされて

偶然という風に運ばれ

時に抗いながら

自分の顔を探している

 

このうら寂びた風景のなか

行く手掛かりは有るのだろうか

影のような人の顔に

いつ目鼻は戻るのだろう

 

ふと見上げると

蜘蛛が一匹空を泳いでいる

下からでは

そう見えるのだ

あの虫でさえ

方向のない宙に浮かんで

確かな足掛かりを築こうとしている

 






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最終更新日  2019.03.16 08:22:56
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