真珠湾 75年
トランプが次期国防長官に指名したジェームス・マティスは、2015年1月、合衆国中央軍司令官をオバマから詰め腹を切らされるに際し、上院国防委員会で査問?され、When decision is made to employ our forces in combat, the commitee should ask"Are the political objectives are clearly defined and achievable?"我々軍隊を交戦させるにあたり(上院国防委員会は政府に対し)戦争により何を達成するかが明快に示され、達成可能であるかと問いかけねばならないと発言した。→Uncommon Knowledge: Retired U.S. Marine Corps Gen. James Mattisなど「Mad Dog=狂犬」と呼ばれるMattisは、日米それぞれの反トランプのゆがめられた報道で、いかにも好戦的なイメージがあるが、実際には、この逸話にも垣間見る高ことができるがごとく、高度な知性をもつ軍事力行使には非常に抑制的な人物である。真珠湾から75年安倍さんが日本の現役の首相としては初めて、真珠湾を訪問する。オバマ大統領が広島を訪問した答礼 的なのかな?今までなかったことのほうが不思議。周回遅れでのpolitically correctだな。戦術的(戦略的ではない)に言えば「Punch Bowl」も行っとくべきで、たぶん行くだろう。James Mattisは現代の人であるから、当然、上の発言には、かつての真珠湾などの反省が反映されてはいる。しかし、指摘されたことを、そのまま、当時の日本への問いとするとき、彼の言う意味の深さが改めて認識される。真珠湾攻撃とは、言うまでもないが、当時の日本(あくまでも日本政府であって日本軍ではない)米国(英米蘭)相手に戦争を始めることを象徴的に表現したものである。その政治目的はなんであったのか?それは達成可能であったのか?「政治目的」については、明確であったとの主張が存在するであろう、しかし、よしんば政治目的が明白であったにせよ(僕はそうは思わない)、達成可能であったとは言いがたい。Mattisは次のように指摘する「第二次世界大戦については、ドイツと日本を降伏させるという明白な政治目的があった。しかし、第二次世界大戦以降、アメリカは、主要5件の海外派兵(朝鮮戦争、ベトナム戦争、第一次湾岸戦争、アフガニスタン、第二次湾岸戦争)のうち、第一次湾岸戦争以外の4件に失敗している。第一次湾岸戦争のみ、それは今日に至るも「のちの第二次湾岸戦争の火種を残した」との根強い非難は存在するが、唯一、達成可能な政治目的が示され、成功した作戦である」ベトナム戦争には、ベトナムに、祖国と民族の存続という明白な目的があり、アメリカには、何のために戦うか、明白な目的が欠如していた。だから、アメリカは負けた。朝鮮戦争には、それを引き起こしたのが、アメリカであるか、北朝鮮であるか どちらが引き起こしたにせよどちらの政治目的も明白でないし、実際、現在の南北分断の継続が政治目的であったとも思えないが故、アメリカだけでなく、北朝鮮にとっても、この作戦は失敗である。唯一、中国だけは、北朝鮮という傀儡国家を緩衝地帯として確保していて、それが政治目的であったならば、成功と評価できる可能性がある。アフガニスタン、第二次湾岸戦争については、政治目的が不明であり(怒りの感情に任せてという意味では、真珠湾に近いのかも)、相手側の当事者は誰であったのか、つまり、何を相手に戦いを始めたのか?すら不明確なのであって、今日の様相はまさに自業自得。同じように、真珠湾攻撃も、イギリス、オランダ相手ならば、植民地解放という、余計なお世話も意味を成したであろうが、すでにフィリピン独立を表明していたアメリカ相手に戦争をおっぱじめるは、感情にかられた以外の何物でもない。目的が明白であっても達成できない戦いいつもいじめられているカミサン相手に戦いを挑む僕ら(いや、僕の友人たちは皆、僕より賢いから、とおにカミサンたち相手に戦争をおっぱじめる愚は犯さない)を考えれば、たとえ気持ちはわかっても(アメリカ=カミサンとすれば、実によくわかる)、その戦いは、目的はわかるが達成できない のは明白。しかし、僕は、まだ、無駄な戦いを、カミサンに、あの強大な!カミサンに挑む。いかに、悲惨でみじめ。孤独、達成不能、阿鼻叫喚、空前絶後.......孤軍奮闘