カテゴリ:文学
9月。知人に会うため山形県鶴岡市へ行った。
知人から「国宝を見に行きましょう」と提案があり羽黒山五重塔へ向かった。迫力ある木造建築であった。 私は肝心の五重塔の写真を撮っていなかった。東京へ帰ってきて少し後悔した。ただし塔の近くにあった一つの詩碑は撮影していた。西條八十である。 これについて調べようとしてもインターネットで検索をする程度では正確なことがなかなかわからない。唯一言及があったのは出羽三山に関するこのページだ。当該ページには碑の詩が文字として起こしてある。ありがたい。勝手ながら引用する。 五十路の夏にわけのぼる 羽黒の峯の梅雨雲や また見んことのあるやなしと ふり返りゆく山つつじ 他の場所でも西條の詩に遭遇した。 9月17日の日記と9月22日の日記に挙げたバー・Yの店内だ。 お手洗いに入ったところ壁に以下の詩が掲げられていたのである。 酒の唄 酒は唇よりきたり 恋は眼より入る。 われら老いかつ死ぬる前に 知るべき一切の真はこれのみ。 われ杯を唇にあて おんみを眺めかつ嘆息す アイルランドの文人・イエーツの詩を西條が訳出したらしい。 活字になっているものが欲しくなり本を探した。見つけた。加島祥造訳編『海外詩文庫9 イエーツ詩集』思潮社 1997年。「酒の唄」は62ページに掲載されている。 次はイエーツによる英語の詩が気になった。 A drinking song Wine comes in at the mouth And love comes in at the eye; That's all we shall know for truth Before we grow old and die. I lift the glass to my mouth, I look at you, and I sigh. YouTubeで見つけた動画。「Gavin Friday - William Butler Yeats - A Drinking Song - National Library Of Ireland」。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.10.23 22:32:04
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