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テーマ:映画館で観た映画(8366)
カテゴリ:洋画(05・06)
「ニューワールド」
監督・脚本:テレンス・マリック 音楽:ジェームズ・ホーナー 出演:コリン・ファレル、クリスチャン・ベイル、クオリアンカ・キルヒャー、クリストファー・プラマー、デヴッド・シューリス 1607年、アメリカ大陸に上陸したイギリス人ジョン・スミス大尉(コリン・ファレル)は、ネイティブアメリカンの族長の娘ポカホンタス(クオリアンカ・キルヒャー)と恋に落ちる。 「シン・レッドライン」のテレンス・マリックの作品なので、ストーリーを追ってはいけない、という情報はあらかじめ貰ってはいた。しかし正直ものすごく分かりやすかった。ちょっと監督、親切すぎるのではないか、というぐらい物語の飛躍の前には説明的なセリフを配している。だから安心して「主観的な映像」を見ていられた。 素晴らしかった。 私はたぶん見ることがかなわないであろう、西暦0年、日本列島のどこかに上陸した大陸人と縄文人の出会いと風景をこの映画を見ながら幻想していた。葦繁く覆う沼地、芒の野原の彼方から原住民たちがやってくる。好奇心だけで近づく彼ら。イギリス人のほうから命を奪わない限り、生活を脅かさない限り、ネイティブから危害を加えることはない。スミス大尉は、彼らの正直さ、自然との共存、そして賢さを知る。スミスがポカホンタスに言葉を教える場面が印象的である。「空だ」「水だ」「風」。ポカホンタスは砂に水が吸い込むように言葉を覚えるが、同時に体全体でスミスに自然を教えるのである。スミスから見たネイティブ。ポカホンタスから見たイギリス。二つの文化は、そして男女は、触れ合うことで理解が進んでいく。殺し合いもあった。はじめて文化に触れたときの驚きもあった。映像でそれを語るという難しさと素晴らしさを効果的な音楽とともに、監督は存分に見せる。 組織と組織との間では、衝突するのであるが、個人と個人の間では、「愛」が生まれる。それがなぜなのか、ということは作品は明らかにはしない。しかし感じることは出来るだろう。これもやはり9.11が生んだ作品には違いない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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