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カテゴリ:08読書(フィクション)
いつからこんなに涙もろくなったのだろうか。人が死ぬ話の「その日のまえに」を読んだときには、死ぬ話だから当たり前だと思っていた。けれどもこの短編集では、ひとは一人しか死なない。けれども、やっぱり喫茶店や食堂でずいぶんとごまかすのに苦労した。私は家で本を読む習慣を持っていない。もう20数年間、食べる時間が読書の時間であり、ふとした待ち時間が読書の時間だった。だからどうしても人前で読んでしまう。小学生から、中学生にかけて、いじめや、誇りや、不安や、後悔、そしてぱっと世界が開けたときの感動、そんなことに触れて涙がでて止まらない。
きみの友だち新潮文庫 重松清 重松清は本当にずるい文章を書く。 ピュアな彼女や彼らたちが、試練に会う。 そして克服していく。 押し付けでない感動にやられてしまう。 私が子供の頃には「いじめ」という高度に洗練された社会的なパワハラはなかった。と私には思える。だから彼ら彼女たちが極度に「一人ぼっち」を恐れる心情をイマイチ理解しきれていないと思う。でも、「小さい者たち」が必死に頑張る姿にはやはり世代を超えて訴えるものがあるだろう。 これは、映画化されているという。この群像劇をどのように処理しているのか、何とか時間を見つけてみて観たい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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