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2010.01.09
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カテゴリ:PC『CARNIVAL』
……。



『CARNIVAL』第七回





と言いつつ、書くのは小説版の感想。

これはもう有り勝ちなメディアミックスではなく、「原作の一部」と考えた方がいい気がする。


内容としては、原作の七年後。

主に九条理紗の弟である“九条洋一”の視点で話が進む。


失踪した姉から七年振りに電話を受けた洋一は、彼女の足跡を追って事件の関係者を訪ねて回る。

そんな中、奇妙なホームレスの少女“サオリ”との偶然の出会いが、洋一の心境に大きな変化を与えることになる。


…「洋一」と言われても誰のことだかピンと来なかったんだけど、作中で彼の姉の描写が出た時に合点がいった。

あの無邪気な少年が、今になって立派なエロゲ主人公に成長したかと思いきや、まさかEDの上にネクロフィリアに目覚めているとは予想もつかず。


児童虐待というのは、当然ながら、直接的な加害者と被害者だけでなく、その周囲の人間にも良からぬ影響を及ぼすものなんだろうな。

一方で、同じく親からの虐待を受けながらも、現実感を喪失したような天真爛漫な少女であるサオリの存在は、理紗や学の事例のアンチテーゼとなると共に、作品全体のイメージを和らげてくれた。


地味に“渡会泉”が活躍しており、よく見れば学や理紗よりも多く登場しているかも知れない。

彼女は作中には珍しく人格的に安定した娘で、洋一の潔癖さや未熟さを指摘する役目を果たしていたり、相変わらず茶目っ気があって可愛かったりする。


この小説によって、木村学の道程にも一応の決着がつけられる。

彼はここまで、俺の想像よりもずっと、ずっと必死に頑張って生きてきたみたいだ。


彼らの未来は、やっぱり暗澹たる物で、絶望に塗れていて、希望なんか一つも無かった。

これは全くの予想通りで、そもそも、原作のあのエンディングを見て楽天的な結末を想像することは難しいだろう。


それでも、その末路の果てに、理紗が再び同じ台詞を言えるのかを、どうしても知りたかった。

結局俺は、木村学の最後の台詞を聞くためだけに、この小説を求めたようだ。

そういうわけで、全体的に非常に満足している。




…不満点を挙げるとすれば。

学の犯罪によって被害を受けた人々の悲惨な末路を描写するのは良しとしても、そこに“三沢先輩”が含まれない事に対しては違和感を受けずにはいられない。

或いは、これは「死人には永久に許して貰えない」という主張から出た配慮なのかも知れないけれど。


誰か一人くらい、彼の死を本気で悼む人間が出てきてくれれば、『CARNIVAL』はよりフェアな作品になっただろうに。

殆ど唯一、彼の名を挙げて悔悟の情を示したのが加害者である学自身だなんて、哀れにも程があると思うんだよなぁ…。





※以下、ネタバレ注意























































「全てを受け入れて、出来れば乗り越えてください。そうしてくれたなら、きっと、私も、それでも本当は嫌だけど、でも、学くんが……」

家族の前で、泣き崩れる理紗。


さて、学は何と言っていたか。

読み返して泣く、その繰り返し。



木村学。

七年間の逃亡生活の末、入院先の精神病院のトイレにて首吊り自殺。

以下は、彼が九条理紗に宛てた遺書の全文。




今思えば、いつかこうなってしまうと、はじめから解っていたのだと思う。でも、もし駄目になってしまうとしても、その前にゴールに駆け込むことさえ出来れば、何も問題がないとたかをくくっていたんだ。

ゴールはまだ見えない。あの頃想像していたより、僕たちは長生きしすぎてしまったんだろう。


一時停止ボタンなんかどこにもなくて、力一杯全部を出し切った。その瞬間に都合良く存在が消えてなくなったりもしない。疲れ切ってしまって、戦う気力なんか全然なくなって、勇気とか希望とか自分を守ってくれるものが全部失われてしまって、映画だったら「終」とテロップが出るような場面を過ぎても、生活は続いてしまう。けして止まらない。そこからが本当に人間が生きるということなのだろうと、最近はそう思ったりもする。


ドラマが終わって、興奮から冷めて、何も心を守ってくれなくなって、これからはもっと大変な毎日が続くだろう。でも、どんなに苦しくても、心が死んだようになって、痛みも喜びも感じることが出来なくなってしまって、何をしても無意味に感じられて、もう駄目だと思っても、諦めないで、自分に耐えて、もう少しだけがんばって欲しい。


小さな頃に夢見ていたものは、まだ何も知らなかった時代のまぼろしなんかではなくて、いまでも見ることが出来るずっとそこにある変わらないものだった。辛くなるからって無理に忘れてしまわなくても良かったんだ。僕は気付くのが遅すぎた。必要なものを、自分で隠していたんだ。でも、こんな僕でも全てを失ったわけではなかった。

世界は残酷で恐ろしいものかもしれないけれど、とても美しい。

思えば、そんなこと、僕らは最初から知っていた筈なんだ。



時間が過ぎて、僕のことは忘れてしまっても構わないけれど、僕が今ここに書いている言葉のいくつかをときどき思い出してくれるなら、それより嬉しいことはない。




追伸。今までありがとう。

出来ることならば、誰も憎まないで生きてください。






プロローグにあるこの文章を読んで、学の遺書だと推測するのはそれほど難しくないと思われるが、一見する限りでは全体的に要領を得ない謎の文書でしかない。

しかし、彼の死に様を目にした後に改めてこれを読み直した時、俺はボロッボロ零れる涙を抑えることが出来なかった。



「自分に必要なものを、自分で隠してしまわないでくれ」と言う学の言葉から、理紗は自分の家庭を取り戻す為の決断をしたようである。

父親による性的虐待の事実を警察に話し、父に罰を与えて、それを乗り越えてきた時に彼を許すと。


学が小さな頃に夢見たものとは、平凡で幸せな家庭であり、母親からの何の変哲も無い愛情であり、親孝行をする自分でもある。

だから、恐らく理紗は学の意図を正確に察したのだろう。



学は最後、自分を捨てた父親の前で、世界に対する感謝の言葉を口にする。

「生まれてきて本当に良かった」

その直後、首を吊る。

もしかしたら、世界を愛したまま死にたかったのかも知れない。



不思議と「生きてくれ」という悲しみも、「無責任だ」という怒りも感じなかった。

むしろ自分で言う通り、彼は長生きし過ぎたのだろうと思う。






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Last updated  2010.01.09 15:30:44
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