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カテゴリ:PC『星空のメモリア』
『星空のメモリア』感想 第二十四回 “姫榊こもも”編
俺の関心は、概ね諏訪雪菜と姫榊こさめの素朴な友情にあった。 完全に不意を打たれた形で、涙腺が緩んだぜ…。 こももは可愛くて、悪夢を通して洋と接近していく過程もよく描写されてはいたけど、やはり若干“食われてしまった”感はあるな。 苦しむヒロインを、側で支える役割……どちらかと言うと、こさめこそがこのルートにおける悲劇のヒロインであり、彼女が周囲の人間に支えられていく様子が見所だったように思える。 まぁそんな感じで、このシナリオによって良かれ悪しかれ、星天宮周りの人間に対する心象は一変するはず。 ※以下、ネタバレ注意 何があっても、こさめを守り抜く。
こさめの口から全てが語られる。 七年前、夏祭りが近い日。 こさめは、演舞の練習で忙しく、遊んでくれなくなったこももの気を引く為に、御神体の隕石を持ち出す。 追ってくるこももから逃げて、展望台の近くの木に登り、そこから空を見上げたこさめは巨大な流れ星を見つけた。 そして、それに気を取られて木から転落してしまう…。 その流れ星は間違いなく、明日歩が見ていた流れ星と同じものだ。
こさめの死体を目にしたこももは、咄嗟に御神体を媒介にして星霊の義を実行し、こさめの蘇生を成功させてしまう。 それ以来、こさめの身体には異常が顕れた、 「わたしは、食事を摂らなくても空腹にならない体質になっていました」 「わたしは、太陽の光に当たっても日焼けをしない体質になっていました」 まるで幽霊だ……と思ったが、実際に幽霊なのかもな。 「わたしは今夜、メアさんに頼むつもりです」 「きっと、ひと思いに刈ってくれると思うんです」
その晩、こさめは展望台に向かう。 こさめが呼び掛けると、メアはあっさり姿を見せた。 「あなた、もこもこよね」 だから違うっつーの。 そもそも、そんなに似てるかこの姉妹…? こさめはまず夏の件の謝罪をし、事情を話し、自分を刈って貰おうとする。 メアは、こさめの強がりを見抜きつつも、鎌を振り上げる。 「それじゃあ、バカバカなあなたに免じて、考え直す間もなくやってあげる」 そこに洋の大声が響き、メアを止めた。 こももは、こさめに歩み寄ると、正面から指を絡み合わせて笑顔を見せる。 「あなたひとりが、怖い思いすることないじゃない」 「だから、メアさん」 「やるなら、わたしを刈って」 「それでもこさめは送り還されるんでしょう?」 ……って、刈らせていいのか? 本当にいいのか。 「あなたとわたしは一心同体」 「姫榊こももと姫榊こさめ」 「姉妹よりも、恋人よりも強固な絆」 ようやく、こさめの虚勢が崩れた。 姉さんとずっと一緒にいたいけど、自信がなかった。 自分は他のみんなと違うから。 「怖かったの……ずっと……」 「……うん」 「怖かったよう……」 「……うん」 「怖かったよう……お姉ちゃん……!」 こももの腕の中で、泣き崩れるこさめ。 そして、メアの鎌がこももを貫いた。 ……。
流れるエンディング。 おいおいおいおいどうなったどうなったんだ?
エピローグ。 雪菜が天クルの活動に参加している…。 「幽霊部員は卒業ですか?」 「うぬぼれるな」 先輩、返答がまるで噛み合っていません。 「照れているのさ、雪菜クンは」 「お前は誰だ」 先輩、部長の顔を忘れないで下さい。 「……あの人が、幽霊部員として名高い雪菜先輩ですか」 「……先輩は、私の目指す立ち位置です」 「キミとは仲良くできそうな気がする」 ……何だか、雪菜も面白い娘じゃないか。 もっとみんなと一緒に活動しているところを見たかったなぁ。
そして、天体望遠鏡の準備をしているこもも。 その隣には、こさめが居た。 こももがメアに貫かれても、こさめが消えることは無かった。 こさめはもう、こももにとっての悪夢ではなくなっていたのだ。 「わたしは、あなたをあなたとして受け入れることができたのよ」 悪夢を自力で克服したのは、明日歩ルートの洋に前例がある。 これが二人目か。 「ふたご座は、冬に最も輝く星座なんだ」 「雲雀ヶ崎で見るふたご座流星群は、きっと最高だ」 「冬が、楽しみですね」 「そうね」 「みんなで流れ星を見上げる日が、とても楽しみね」 「これから先も、ずっと、私たちは共にあるから……」
- Wish upon the shooting star - FIN.
ようし。 色々大変なルートだったが、なんとか収まったか。
星天宮関係の話も興味深かったし、何より雪菜の活躍が印象的だった。 友情を絡めた話になることは予測出来ず、思わずほろりときてしまったわ…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.02.17 04:04:30
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