|
カテゴリ:雑談
……。
『ef』の優子さんや、『リトバスEX』の二木佳奈多など、惨い境遇から身体的に深い傷を負っているヒロインたちは少なくないが、そのシナリオ内で当の傷痕が描かれることはないのである。 どんな酷い火傷を負っていようが、虐待を受けて全身青痣だらけだとテキストで描写されていようが、その傷が直接プレイヤーの目に晒されることはない。 仮に部分的に描かれたとしてもやはり隠蔽される。 暗闇の中、着衣の影。主に晒されるのはその他の、深雪のように美しく滑らかな肌のみだ。 そういった隠蔽工作を見るたび、俺は海よりも深い空しさに襲われる。 別に「傷ついたヒロインの全てを直視して愛せる俺様かっけー」みたいな腐ったヒロイズムに酔っているわけではなく、ただ単純にエロゲにおけるエロスの限界にブチ当たって空しくなるのである。 エロゲなんだから隠すなよと。 全部見せろよ、と。 ヒロインの身体は隅から隅までプレイヤーに見せるべきだろ。 なんで「キレイなとこしか見せちゃダメ」みたいになってんの? エロってのはキレイ事じゃねーんだよ。 別にスカト○ジーに走れとかヤンデレ理論だとかそんな極端なことを言っているのではなく、俺はただヒロインの全裸が見たいだけなのである。 胸の大小、身体のふくよかさの度合いとはそのままヒロインの個性であり特徴だ。須らく性的に魅力的であるべきエロゲヒロインなら尚更だ。 身体に刻まれた傷ってのも同じじゃん。 別に道徳的に描いちゃいけないようなものでもないじゃん。 胸が小さくて恥ずかしがるヒロインに萌えるように、傷を見せるのを躊躇するヒロインにも萌えるものだろう。 でも前者の場合、結局それで胸を見せなかったら大ブーイングだろ? プレイヤー暴動起こすよ。 いいから南条蘭のおっぱいを見せろよって。 傷痕ってのも同じだって。身体的特徴の一つなんだって。 完全に管理された傷一つない裸体にしか劣情を催せないというのには到底同意できない。 また傷の重要性を描いておきながら傷のエロスを演出できないエロゲのエロは未熟である。 そんなだから、例えば『大番長』の紅美さんとかがエロの時に傷痕を曝け出していたな、と印象に残ってたりする。 傷は醜いものじゃねーよ。傷とは成長の証でありヒロインが今日まで生きてきた証なんだよ! 傷一つない人間なんてこの世のどこにもいないんだよ。 だからもっと見せろ。 見せてもいいはずだ。 エロゲライター頑張れ。 でも加虐に走るのは違うから。 『ゴア』や『蟲愛』みたいに嫌がるヒロインにむりくり傷を刻み込むのは違うから。 とにかくそういうわけだから。 よろしく頼んだ。 俺も頑張るから、エロゲ業界も頑張れ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[雑談] カテゴリの最新記事
初めまして。
村正の批評・感想関連を読み漁っていたら流れ着きました。 今回の記事を拝見して思い出したのですが、亀愛好家さんは『かたわ少女』という作品をご存知でしょうか? 海外の方の製作中の同人ゲーなのですが(公式及び体験版共に日本語化可能です)、もしかすると今回の記事に相応しいタイトルかもしれません。 一度、ご覧になってみてはいかがでしょうか? (2010.11.23 22:55:51)
八十神さん、こんばんは。
『かたわ少女』のことは存じておりますが、体験版には手をつけておりません。 ただ、私が考えているのは恐らく、そんなにデリケートな問題ではないのです。 ただ単純に、セックスメディアとしてのエロゲの在り方についての問題提起と、 そこに内包されているように思われるエロゲの受け手と作り手の精神の未熟さを指摘したいだけなのです。 ですから何もかも杓子定規に、例えば義足の女の子の足の断面を見せるべきだとか、目を失った少女の眼窩を見せるべきだとか、そういうことを言いたいわけではないのです。 ただ、私の知るエロゲにおける「傷」の描写というのは、酷い火傷をした少女のケロイド状になった肌とか、難病に陥った少女のやせ衰えた土気色の肌とか、そういった本来直視すべき対象(ヒロインの裸身)から目を逸らしているように思えてならず、それに対する違和感がこの記事を書く動機となりました。 そういうわけですから、『かたわ少女』について記事を書くとすれば、また違った視点から興味をもって論じることになると思います。 無料配布されるとのことですから、楽しみにして待っています。 (2010.11.24 03:07:53) |