原作のレビューに続いて、映画版の感想です。
主演は『デス・ノート』でＬを演じた松山ケンイチです。
根岸崇一はポップでオシャレなミュージシャンを目指して上京する。東京の大学を卒業後、彼がやっているバンドは…デスメタル・バンド「デトロイト・メタル・シティ（ＤＭＣ）」。彼は事務所「デスレコーズ」の社長のもと、ＤＭＣのギター兼ボーカルのヨハネ・クラウザーII世として活躍していた。
「僕がしたかったのはこんな音楽じゃない！」
根岸クンの思いとは裏腹にＤＭＣは大人気で、次々と敵対するバンドを打ち破り、インディーズ界の頂点に立つ。一方、根岸クンが街角で歌っても人が集まらず、想い人の相川さんはオシャレなデザイナーに取られそうになる。
ついに故郷に帰る根岸クン。
しかし、アメリカからデスメタルの帝王、ジャック・イル・ダークがＤＭＣを対戦相手に指定し、来日した。
松山ケンイチの根岸クン/クラウザーさん、とてもよかったです。
内股でちょろちょろ歩いて、おどおどした根岸クンと、堂々としたクラウザーさん。
さすが、芸達者です。
松雪泰子の社長もキレてて良かった。
宮崎美子のお母さんも良かったです。
加藤ローサの相川さんもなかなか。
ジャック・イル・ダークにＫＩＳＳのジーン・シモンズ。
本物を持ってきましたか。なかなかの迫力でした。
原作のシーンも再現されて、原作ファンにもうれしかったです。
ＤＭＣイベントと相川さんとのデートの掛け持ちとか、首吊りとか、トイレでのクラウザーさんと佐治君とのセッションとか、特撮ヒーローの中身がＤＭＣ信者とか。
根岸クンの弟を諭すために農作業を実演し、食事をするクラウザーさんは原作そのままで良かったです。
ジャック・イル・ダークの牛を馴らしてしまうところとかも。
パンフレットによると、大分の農家は原作者の実家だとか。
大分からクラウザーさんの姿でローカル線と新幹線を乗り継いで帰ってきて、東京駅から会場まで疾走するクラウザーさん、最高です。
そして、クラウザーさんの姿で「甘い恋人」。
これは映画ならでは。
原作のバカバカしいノリをそのままに、ちょっといい話が入り、松山ケンイチがはまって、なかなかお薦めの映画です。
