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カテゴリ:あの頃
生粋の京都人でいらっしゃる、ブロ友のふろう閑人さんが、京都では元来七は「ひち」でご自分もそういっていたのだけれど、昨今「しち」が正しいみたいな風潮があって、例えば「七条」などの駅名は駅名表示につられて「しち」と読むことが多くなったと書かれていました。
駅名、地名に関しては、漢字表記はそのままなのに、なぜか昔からの呼び方と違う読みを付けてる町名や駅名、東京にもかなりあります。 例えば、高田馬場、堀部安兵衛の助太刀、18人斬り等お芝居や講談、落語でも有名な場所です。 わたしはずっと「たかたのばば」と言っていましたが、ある時駅名表示が「たかだのばば」になっていることに気づきました。 耳をそばだててよく聞くと、なんと、車内のアナウンスも「だ」と濁っています。 更に極めつけは、PCの漢字変換でした。「たかたのばば」と打ち込むと変換されないのです。 「たかだのばば」だと高田馬場と変換されます。それは、すごいショックでした。 誰か(おそらくJRの)が、歴史も講談も落語も、住んでいる人間が呼び習わしていた地名も無視して、「日本全国、高田はたかだと読むのが常識!」とか言って、読み方を決めたのでしょうね。 なあんて、敵意も露わに決めつけちゃってますが、京都の「ひちじょう」も、標準語を作るときに、七を「しち」と決めたせいで「しちじょう」にされたと仰る方もいるそうですから、「ひちじょう」と「たかたのばば」は、同じ論理で変えられてしまったのかもしれません。 地名、駅名にとどまらず、ふろう閑人さんにとっては、「七味」(トウガラシ)も「ひちみ」だそうで、それを読んで、下町育ちで生涯「ひ」の発音が苦手だったけれど、七味が大好きだったわたしの父が京都に行ったら、辛いではなく苦い思いをするところだったかもなどと、バカな連想をしてしまいました。 因みに、うちの父、わたしが子どもの頃は七味唐辛子をナナイロと呼んでいました。 恐らく、3音全部イの段の「しちみ」は、言いにくかったのでしょうね、落語なんかでも七色唐辛子って言いますよね。 考えてみると東京弁(?)のハ行とサ行、それにイの段とウの段の発音って、ちょっとヘンというか独特かも知れません。 言語学的に説明する言葉があるのかもしれないけれど、専門用語をわたしは知らないので、うまく言えませんが、どれもあまりしっかり発音しないのですよね。 ハ行サ行でもハヘホとかサセソはまあ普通ですが、ヒフ、シスは子音が弱いうえに母音は音になってなくてただ口の形だけで発音してるというか、アルファベットで表すとわかりやすいかしら? ヒはうまくローマ字表示ができませんが、フはfuでなくf、シはshiではなくsh、スもsuではなくsに近いのです。 シもチも母音がないので七味=シチミって、早口の江戸っ子には言いづらかったのでしょうね。 そういえば、チもchiというより英語のchに近いです。 そう言えば、東京弁のヒは、ドイツ語のchに近いです。 よく知られているドイツ語のアイラブユー、イッヒ・リーベ・ディッヒのヒ、あ、マレーネ・ディートリッヒのヒという方がわかりやすい? うん、まあ、そういうヒです、母音がないんです。 同じ東京の中でも下町言葉と山の手言葉は似ているようで似ていないことが結構あるのですが、この発音に関してはほとんど同じ気がします。 山の手言葉の方でも、イやウを、関西の方のようにしっかりはっきり発声されることはないのじゃないかしら。 例えば、山の手言葉でも、寿司は、s-shに近い発音だと思います。 ただ、山の手と下町ではアクセントが少し違って、山の手言葉では後ろにアクセントが来ることが多いみたいです。 って、山の手言葉の事になると、途端に歯切れが悪くなっちゃうんですよね。 多分、よその町、地方の人が聞けばほとんど同じように聞こえるであろう山の手言葉と下町言葉ですが、本人たちにとっては結構違っていて、わからないわけじゃないけど、話せと言われたら難しいとお互いに思っているような気がします。 どちらも関東弁から派生したものですが、山の手の言葉は武士言葉がもとになり、下町言葉は、職人とか小商人などの町人の言葉だったようなので、いろんな意味で違うのでしょうね。 思いつくままに書いているうちに、ハナシがずいぶんそれてきてしまいました。 収拾がつかなくなってきたので、一旦逃げ出して、明日にでもまた改めて書き始めたいと思います。 それでは本日はこれにて、いったん失礼いたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
こんにちは(^O^)
私も数字読みの時は『しち』だけど ひちみとうがらしって言うかも…(;^ω^) 七条はどうだろう… ひちって言ったりしちって言ったりかなぁ~ 札幌は碁盤の目の街並みなので条丁目の住所なんですが 7条はななじょうと読むことも多かったです 確かに…昔と今だと読み方や言い方が変わってきてますよね 広辞苑にも新しい言葉が増えて昔のが消えたりしてるし… 世の中って変わっていくものなんですね… 江戸の時代から明治大正昭和と…かなり言葉も増えたし物も増えて考え方も変わったから きっとこれからも変化していくものなのでしょうね(;´Д`) (2017.02.21 14:40:36)
こんばんは
地名は 極端な場合 地下鉄と JRで 異なる場合がありますね し ひ は紛らわしいですね 時には 濁音が付いたり つかなかったり 名古屋の小さな都市でも 上町 下町で 以前は異なっていましたが 今では テレビ ラジオの影響で 差が無くなってきています (2017.02.21 19:20:00)
高田の馬場は確かに、「タカタの馬場」と変換しますね。
うんちくのある話、しかも江戸っ子の話面白く、参考になりました。 書いて頂いたお蔭で、他の地方の方の話も聞けて余計に良かったです。 早速、取り上げて頂きありがとうございました。 (2017.02.21 21:29:25)
こんばんは。
物が駄目になる・使い物にならなくなる事を「お釈迦になる」と言うのは、「シ」と「ヒ」の発音が逆転するから、「火が強かった」と「四月八日だ」とを掛けた洒落だという話を思い出しました。 発音は逆でも江戸時代の平仮名表記ではどうだったのか気になるところです。 (2017.02.22 00:56:23)
うんうん、私は旧姓「高田」でした。
タカダって読みます。 でもシャパネットの社長さんは、タカタさんなんですよね。 標準語も大切ですが、土地の言葉も大切ですよね。 特に地名では。 そういえば東京の山の手言葉で「ざあます」っていうのがありますよね。 最近は耳にすることがないのですが、先日それは見事な「ざあます言葉」を話される老婦人と出会いました。 嫌味の無い、美しいざあます言葉で驚きましたよ。 (2017.02.22 07:07:48)
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