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テーマ:クリスマス(2761)
カテゴリ:外国語詞和訳
1944年封切のMGMミュージカル映画 (アーサー・フリード製作、ヴィンセント・ミネリ監督) 「Meet Me in St.Louis (若草の頃)」の挿入歌。 邦題が「若草~」なのは4姉妹だから「若草物語」にちなんだものでしょう。 内容は全く違いますが。 1904年の万国博覧会の開催を控えた セントルイスの中流家庭(真の意味での中流。今の日本の金持ちより豊かな生活)の物語。 映画のタイトルでもある(実際の)万博テーマソングが流れる活気のある街、うかれる人々。 テクニカラーが描く美しい四季。 ヒロインのジュディ・ガーランド(波乱万丈の私生活を感じさせない!)や姉の恋愛模様。 当時の流行歌を演奏し踊るホーム・パーティー。 そんな中 マーガレット・オブライエン(天才子役!)が大活躍したハロウィンの夜、 父親のニューヨーク栄転・一家移住の話が決まる。 ほぼ引越しの荷造りが済んだクリスマスの夜、 大好きなセントルイスの街を離れるのが悲しいマーガレット・オブライエンに 自身も恋人と別れなければならないジュディ・ガーランドが語りかけるように歌う... ヒュー・マーティンとラルフ・ブレインによるオリジナル曲です。 歌詞の和訳 http://plaza.rakuten.co.jp/miyajuryou/3022#merrylittlechristmasgarland 1944年の映画であることにも注目。 大恐慌、それが遠因となり起きた第二次大戦(相手はドイツと、日本!)に倦む観客には それらを知らなかった40年前(「坂の上の雲」の頃!)はノスタルジーを痛いほど刺激したでしょうし この曲の歌詞に落ちる非常時の影も敏感に感じ取ったでしょう。 (当時の日本はこのような映画を作る余裕すらなかったのですが...) さて、この曲にはもうひとつの(そして、より知られた)バージョンが存在します。 フランク・シナトラがクリスマス・ソング・コレクション 『A Jolly Christmas from Frank Sinatra』(1957年、画像左) (63年にタイトルとジャケットを変更した『The Sinatra Christmas Album』(画像右)としてリイシューされ、復刻盤の『Jolly~』と現在は並存しています。RIAAプラチナ(100万枚)認定。日本でのタイトルは、どちらも『クリスマス・アルバム』。) に収録するにあたり ネガティブさを感じさせる歌詞(未来に望みを託しているのですがね)の変更を要求。 詞を書いたラルフ・ブレインは不本意だったようですが (背後の存在も含めて)最盛期のシナトラに逆らえるはずもなく ポジティブな(現在肯定の)歌詞に変更します。 (変更していない部分だけど ♪a merry little Christmas now の now の意味合いが変化するのは興味深いし、作者の才能を感じる。あるいは意図的にそうしたか?) 歌詞の和訳(変更部分を赤字で記載) http://plaza.rakuten.co.jp/miyajuryou/3022#merrylittlechristmassinatra 変更の経緯はともかく 普遍的なクリスマス・ソングにするならばこちらの歌詞の方が妥当でしょうし (1944年と1957年、アメリカの状況の違いもある) ゴードン・ジェンキンス編曲・指揮によるオーケストラ 40代を迎え深みを増した<The Voice>。 『クリスマス・アルバム』は現在でも クリスマス・ソング・コレクションの最高峰と言ってよいでしょう。 以後、ジュディ・ガーランド版よりも 主にフランク・シナトラ版が数多くカバーされています。 (最近有線で両方の歌詞が混在している珍品も聴きました。歌い方から想像すると日本のジャズ歌手) どちらを聴くか(どちらの歌詞を味わうか)はお好み次第。 今年の僕はジュディ・ガーランド系統(たとえばエラ・フィッツジェラルド)。 来年は(♪Next year, ~) シナトラ系統の気分(♪From now on, ~)になりたい願望を胸に... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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