アカ狩りの季節 2
ヘルシンギン・サノマット紙(23日)から。超訳ならぬ、ちょーやく♪共産主義時代の密告者を追跡、ポーランド Poula jäljittää kommunistiajan salaisia urkkijoita金曜日、ポーランド議会(下院)は、共産主義時代の政府関係者、財界、マスコミ、その他インフォーマ(密告者)を身元を明らかにする法案の改正、強化を371対44で採決した。同法案により、元秘密警察やインフォーマの氏名リストが公表されることになる。雇用者はこの法案をもとに追訴された者を解雇することが可能になる。同法案は今後上院で再審議されるも、法案採択が予想される。ヤロスラァウ・カジンスキー首相は、汚職の撲滅、旧共産主義者の地位剥奪を掲げ、前回の総選挙で勝利した。今回の法案により、調査対象者が現在の27,000名から10万人にまで拡大する。これまでは政府関係者のみだったが、外交官、地方公務員、公社の役員、マスコミ・出版関係者、教育関係者までが対象となる。1989年の共産主義の崩壊直後、当時の新しい民主主義者は、インフォーマの氏名公表、地位剥奪を行わないことを最善としていた。赤狩りの季節である。今月初めにギロフスカ財務大臣が更迭された。外資に対する反対を表明し批判されたわけだが、共産時代に秘密警察とつながりがあったから、というのも更迭理由とされている。2日前のYLEの特番によるとポーランドのカトリック神父、教会関係者なども秘密警察のエージェントだった、という嫌疑が持ち上がってる。カトリックは反共のシンボルで、ポーランド人にとって教会内は結界だと思われていただけに、これは衝撃だろう。この件については今年9月に文書が公表され、審理されるという。あの反共の闘士、レス・ワレサ元大統領も「連帯」時代に実は・・・みたいな話もでている。ここまでくると気付くと思うが、国民の大半が何らかの形で共産主義体制に関与していた、とみるのが正しい。だがそうしなければ生き延びれる時代ではなかった。そうした後ろめたい過去を「真相究明」の名で政治利用する勢力も今後出てくるのではないかと危惧する。