テーマ:ワイン大好き!(30386)
カテゴリ:ワインスタンド
今日は久しぶりに少し暖かく、夏が戻ってきたような陽気でした。
夕方、ジムに一汗かきに行ったついでに-あるいはその逆かもしれませんが-ワインスタンドに立ち寄ってきました。今日は昨日と違う、オーバーモーゼルのヴェア村のノイジウス醸造所です。ヴェア村はルクセンブルクの対岸にあり、この醸造所もオーバーモーゼルらしくエルプリングとブルグンダー系品種がメイン。この村でいちばん成功しているのは、シュテファン・シュタインメッツ醸造所でしょうか。軽めであっさりとしたエルプリングがウリの醸造所ですが、今日ワインスタンドに来ていたノイジウス醸造所のワインも、軽くシンプルながらもフレッシュなフルーツ感のある、上々のワインでした。 ジムを出た頃からぽつぽつと降り始めた夕立が、ワインスタンドで本降りになりました。 時々突風が吹き、グラスが飛ばされそうになったので、醸造所の人は6面あるスタンドの2面を閉めて風を防ぎ、その場に居合わせた人たちは豪雨で動こうにも動けず、その場でおしゃべりに興じていました。 たまたま僕の隣にいたのは、しばしば顔を見かける人でしたが、今日初めて言葉を交わすことが出来ました。彼はトリアーでパン屋を営んでいましたが、2002年に廃業。二人いた息子は跡を継ぎたがらず-普通の人が寝ている早朝に起きて、パンをこねるのは相当きつい仕事に違い有りません-、別の仕事についたそうです。父から家業を継いだというノルベルト氏は、それでも「喜んでパン屋になった」とそうでした。 彼のお得意様は、戦後トリアーに駐屯したフランス軍の人々でした。トリアーの各地に居住区を持っていた彼らは、一時三万人を数えたそうです。その彼らに毎朝フランスパンを配達するのが、ノルベルト氏の仕事でした。 「同じパンでも、ドイツパンとフランスパンじゃ、小麦粉が違うんだよ。ドイツパンのそれより、粘りが少ないんだ。最初、フランス人が店にフランスパンを作ってくれと言ってきた時は、どんなものだかわからなかったけど、やっているうちに、彼らがどんな味を好むか判ってきたね。長年毎日朝6時半から午後1時まで、焼きたてのパンを配達しているうちに、フランス語も出来るようになってきて、しまいには雑談するのが楽しみになったよ。」とノルベルト氏。「今でも、旅行の行き先はフランスだよ。イタリアやスペインにも行ったけど、言葉が通じるのと通じないのとでは、大違いさ。旅先で会話が出来ないと、ちっとも楽しくないから。」 トリアーはルクセンブルクとの国境近くにあり、ガソリンを入れるにも税金の高い地元よりも、ルクセンブルクまで行く人が少なくありません。そしてルクセンブルク人はドイツ語を理解するのですが、ドイツ語を話したがらず、フランス語を第一外国語としています。オーバーモーゼルとルクセンブルクを越えると、モーゼル河の上流はフランスへと至り、メッスのあたりではフランス産のモーゼルワインが造られています。確か格付けはVDQSで、地酒相当で、僕の知っている限りでは、味もそれなり、です。 ワインスタンドで雨宿りをするうちに、エルプリング、グラウブルグンダー、エルプリング・ゼクト、そしてミュラートゥルガウの甘口と、ワインが美味しかったせいもあり、4杯もあけてしまいました。4杯目を空けたあたりでようやく雨があがり、すっかりほろ酔い気分で帰宅したのでした。 今日ワインスタンドにいたノイジウス醸造所のご主人。笑顔に人柄が伺えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/08/18 05:49:43 AM
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