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2010年1月1日、雲一つない晴天に恵まれました。駅のカウンターで切符を手配してもらって、ベルギー南西に位置するイープル(Ieper)という小さな町を訪れることにしました。ちなみにベルギー国鉄の切符は航空券並みの巨大サイズ。これなら紛失の心配もなさそうです(笑)。 Gent St. Pieters駅の壁画 列車の行き先を示す表示板と天井画 この日の旅の玄関口となるのは、Gent St. Pieters駅。レンガ造りの外観が素晴らしいばかりでなく、内部を彩る壁画がとても見事です。正月の駅舎の中は、人が疎らにいる程度で、日本のように初詣でごった返すような光景は見られません。10:09発のコルトレイク(Kortrijk)行きの各駅停車に乗り、終点でIeper行きの列車に乗り継ぐことにしました。 まずはコルトレイク行きの列車に 古風なベルギー国鉄の機関車 今、後悔する事があるとするなら、乗り継ぎ駅のコルトレイクも観光しておくべきだったということ。そこは、観光名所としてあまり知られていないけど、ベルギー独特の中世時代の街並みが見事に保存されていて、とても町の景観が素晴らしいそうです。以下のコルトレイク情報は、大雑把に調べた内容をまとめ、参考のために写真も掲載しておきます。 コルトレイク市庁舎 ベギン会修道院 後期ゴシック様式と初期ルネッサンス様式が混合した市庁舎は、幾つものフランドル伯の彫像が窓枠の隣に設置されていて、見ごたえのある建造物の1つとして知られています。そして、世界遺産にも指定されているベギン会修道院は、自律的な女子修道会の由緒ある寺院で、純白の壁が印象的だそうです。Lys川にかかるBroel塔は夜景の名所で、市営劇場はオランダ風の外観が素晴らしいとのことです。 Broel塔の夜景 市営劇場 さて、話を元に戻して・・・。列車の乗り継ぎもスムーズにいって、こぢんまりとしたイープルの駅舎に到着しました。この町は猫祭りで有名ですが、その祭りの発端は決して明るいものではありませんでした。 ヨーロッパにおいて、黒猫は魔力を使って人々を苦しめるという、不吉の象徴と見なされていて、中世時代の魔女狩りのように、黒猫を捕獲しては殺していたそうです。このイープルも同じくかつては黒猫の抹殺を執行していました。 イープル駅にて 小さな駅舎のイープル駅 この町の中心にあるのは、英国のビッグベンのような時計台を持つ衣料会館です。この素晴らしい景観を持つ衣料会館は、かつて黒猫の処刑場だったのです。捕獲された罪無き黒猫たちは、「猫の水曜日」にこの時計台から投げ殺されるという行為が、19世紀初頭まで行なわれていました。 衣料会館(左)と聖マーティン教会(右) この事実を忘れないために、命を落とした黒猫を追悼する意を込めて、3年毎の5月第2日曜日には、猫パレードがこの小さな町で行われていて、今では世界的に名の知れたお祭りとなりました(次回は2012年です)。このお祭りでは、猫や魔女のコスチュームを身に付けた人が大勢参加し、パレードのトリとして巨大猫のシープル(Cieper)と、ミネケ・プス(Minneke Poes)の山車が登場します。 シープル(Cieper) ミネケ・プス(Minneke Poes) かつては魔力を振舞うと不吉がられていた黒猫ですが、今では次のような幸運の象徴と見なされているようです。それは、猫祭りにおいて黒猫のぬいぐるみが衣料会館の塔から地面に向けて投げられて、それをつかむと幸運になるといわれています。観衆のみんなは、そのcatをcatchしようと大混乱するそうです。 ところで、ワロン語(フランス語)ではYpresと綴るけど、フラマン語(オランダ語)ではIeperとなるそうで、ややこしいです。また、「イーペル」とも発音するようです。ちなみに、駅のカウンターで切符を買う際、「イープル」と言っても通じました。
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