“儲け脳”のつくり方 -億万ホームレス- 高木雅邦
表紙に大きく書かれた「億万ホームレス」という単語に目が行きます。億万ホームレスとはまたすごい言葉ですが、異質な概念を2つくっつけるとオリジナリティとインパクトのあるものが生まれるという手法をこれ以上ないぐらい忠実に守って作られたかのような言葉です。ホームレスから億万長者になったということがこの人の“売り”みたいで、このキャッチコピーはなかなか優れものなんじゃないかと思います。ホームレスから億万長者というと「生活倉庫」の堀の内九一郎氏を思い出すんですが、そういえば「どん底からの成功法則」は面白かったなと思いながらこの本はどうだろうと思って読んでみました。ネットバンクへの不正アクセスによって、著者の口座から全財産が失われてしまいます。後に犯人は捕まるんですがお金は戻らず、借金だけが残り、著者は無一文になってしまいます。アパートを出て、ホームレス生活へ・・しかし、新宿の大久保公園でホームレスをしながら、ビジネスモデルを400個考えるなど苦労を重ね、ついに復活。そして、今や億万長者になっているというお話です。ストーリーもすごいですが、著者の活動や考え方が生々しく語られていまして、かなり参考になる本でした。後に億万長者になる人は、こういうことをしているのかと思いました。もちろん、他の成功本とかぶるところもたくさんあるんですが、それは著者がたくさんの成功本を読んで参考にしたということかなと思います。(成功者の行動自体がかぶるものなのかもしれません)億万長者の「ソフト」を自分の脳にインストールする。そうすれば、自分も億万長者になれる。多くの人が億万長者になれないのは、お金持ちになれるソフトが入っていないから。右脳を活用する。そのために、大量の情報を入れる。お金に感謝する。お金を好きになる。お金を敵視したり、「お金より大切なものがある」とばかり言っているのは×。「お金で人の心は買えますか?」ホームレス時に何百冊も立ち読みし、自分にも実行できることがあれば、パソコンでメモしておいた。(著者はパソコンを持ってホームレス生活に入っており、建物の入り口等のコンセントがある場所で電源を借りて、パソコンを使った。)ビジネスモデルを毎日考え、ダンボールの切れ端にメモした。全部で400個にもなった。インド人のお金持ちの教え。目標でなく標的(ターゲット)を決める。ターゲットを獲得するためにゲーム感覚で楽しくいろいろ試す。楽しそうにしていないと人は寄ってこない。「仕事は楽しいかね?」を思い出しました。この感覚って大切なのかもしれません。マイナス感情は無理に殺さなくてよい。活用する。社会に復讐しろ。マイナス感情は成功へのパワー。カレンダーに達成金額のみ書き込む。行動計画はたてなくてよい。否、立ててはいけない。(その他、既存の成功法則への否定がいろいろ)自分用に催眠学習テープを作り、「英語が話せる、話せる…」英語教材テープと併用していたら、話せるようになった。実際の商売についてはほとんど書いてないですが、在庫をもたない、定期配送を考える等、考え方は手堅いんだなと思いました。億万長者になってよかったこと。タクシーに乗るとき、お金を気にしなくていい。お寿司を食べるとき、お金を気にしなくていい。アメックスを使う快感。などなど。ある意味露悪的に書いてあって、小さいと言う人もいるかもしれませんけど、それ故にリアルな感じがしてなかなか良いです(笑)億万長者のソフトをインストールするのに、具体的にどうしようかということについては、著者のセミナーや商材でご紹介していますって書いています。あっそう来たかという感じですが(笑)、億万長者への投資としてはセミナーや商材を買っても安い?のかもしれません。とはいえ、この本自体も充分勉強になると思います。興味のある方はぜひ読んでみて下さい。