やっぱり刀が好き 苗刀術
苗刀に関して調べると、日本では 「苗刀(みょうとう、ミァオタオ、miáo dāo)は、倭寇が使った日本刀(恐らくは大太刀)を元 に明の頃から製造されている長大な倭刀、もしくはそれを扱う中国武術。長さが有る割に 細く、軽量に造られているため、苗刀(苗の如き刀)という。」と紹介されています。 しかし、中国では、現代の苗刀の元となった長刀は、2000年以上の歴史を持つ漢民族最強の刀術と言われており、漢の時代にできたと言われています。(漢刀とも言う) 中国人でさえよく「苗刀は苗族の刀術だろ?」と勘違いしていますが、全くの関係ありません。苗刀は、長くて細い形状から、中国語では、「秀長、苗条」と形容されることから、命名されています。 苗刀の伝承人の郭鉄良氏によると、「もう一つ、中国で誤解されているのは、形が似ていることから、苗刀と日本刀が同時に語られることです。しかし、実際には苗刀は日本刀よりも3分の1ほど長いです。中国では、唐代に中国の苗刀が日本に伝わり、日本人の身長に合わせて改良されました。実際は、苗刀は日本刀よりも優れています。まずは、動きが早い。日本刀は動きがぎこちなく、速度が遅い。あとは、長さ的にも圧倒的に優勢。長いほど強いですから。」 いやいや…ここまで、聞いていると、苗刀への熱意が薄れてしまいそうです。 私が実際に苗刀の動きを見る限り、抜刀術などの居合とは比べ物にならないほど遅いと感じます。甲野先生や黒田鉄山先生の動きを見せてあげたいです…。 ちなみに、苗刀は直刀、現代の日本刀は湾刀(反りがある)です。直刀は突く、湾刀は斬ることを目的としていますので、苗刀では主に突きが多く用いられるため、居合とは全く異なると感じます。 まあ、それはさておき、待ちに待った苗刀の練習が始まりました。 先生は、刀をプレゼントしてくださった孫先生。郭瑞祥(郭鉄良の父)から学んだ正当な伝承者の一人なので、安心です。 さて、日本刀は「斬る」ための身体を割って使う体捌きが必要です。「突く」の苗刀術にはどちらかというと腕の力が必要です。(しかも、重いし…) 師父と私の二人で稽古をつけてもらっています。剣では達人でも、苗刀は初めてなので、さすがの師父も最初は慣れない様子です。私の刀は130センチで、これでも短い方です。本来は150センチです。重さもですが、長いと地面に当ててしまって刃が欠けたりするので、はらはらどきどきの連続です。最初は刀との距離があり、動きがぎこちないですが、日々一緒に稽古することで、少しずつ距離感も縮まっています。柄の材質は黄花梨で、手触りはよく、重さも少しずつコントロールできるようになってきました。日本刀の長さと重さは大体の目安として、私の身長だと、大体刀身2尺3寸(約73センチ)、860gだそうです。苗刀は、1.5キロで、鞘から抜くと1,100gでした。もっと重く感じます。五日間(計5時間)で、苗刀一路を習い終えました。はやっ!