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テーマ:ネイティブアメリカン(608)
カテゴリ:ネイティブアメリカンの物語
ラコタに伝わるお話に、クリスマスというのも不思議な感じがしましたが、比較的新しいラコタのお話なのだと思います。
結構長いお話なので、簡単に要約するとこんな感じです。 「コヨーテ・クリスマス」 ~ ラコタ・インディアンのおはなし ~ ある冬の寒い日お腹をすかせたコヨーテは、インディアン・リザベーションにある一軒の家にやってきました。中の様子から、その日がクリスマス・イブだと知りました。噂に聞いたことのあるサンタ・クロースのふりをしたら、おいしいディナーにありつけるかもしれないと、サンタの衣装を探し始めましたが、イヌや馬に見つかってしまいます。そこで魔法で犬は猫に、馬は豚に変えてしまうぞと脅すと、そんなものに変えられるのはまっぴらごめんと皆静かになりました。ただ牛だけはいつまでも鳴いているので、フクロウに変えられてしまいました。 そしてコヨーテは納屋でみつけた色あせた毛布や羊の毛皮を身につけると、くるりと廻って呪文を唱えます。すると煙とともに、赤いサンタクロースの洋服に変わりました。 藁をたくさん詰めた袋を背負ったコヨーテは、その家を訪ねてドアをドンドンとたたきました。コヨーテを本物のサンタだと思った女ン子イザベラは、おばあさんにお願いしてサンタを夕食の席に招きいれます。 クリスマス・ディナーは、おじいさんの大好物のミートボール入のスパゲッティです。コヨーテは、ゆらゆら揺れるスパゲッティを最初は上手に食べられませんでしたが、結局お腹いっぱいになるほど食べ、パンプキンパイのデザートまでいただきました。そして、もうお腹がいっぱいになりました。 この家には、ディビィという男の子もいました。この子は車椅子に乗っています。ディナーの後で、デビィはコヨーテに、プレゼントを開くまでいてくれるように頼みます。 でもコヨーテが持ってきた袋の中は、藁が入っているだけです。そこでコヨーテは、「他にも行かなくちゃいけないところがたくさんあるから、もうおいとまするよ」と、ここから逃げ出すことにしました。ところがお腹が重くなったコヨーテは、ジャンプをして外に飛び出すつもりが、椅子から転げ落ち、自分が持ってきた袋の中に頭から突っ込んでしまったのです。すると、袋の口が開き、中から綺麗にリボンをつけたプレゼントが4つころげ出てきました。プレゼントには、それぞれ家族の名前が書いてあります。これはコヨーテのかけた魔法ではありません。コヨーテは、人間にプレゼントをあげようなんて考えもしなかったのですから。 イザベラには絵の道具、おばあさんには食器のセット、おじいさんには皮のコート。みんな大喜びで、デビィが箱を開けるのを見守っていました。でもデビィの箱はからっぽでした。 家族は皆呆然としています。コヨーテも、今まで人のことをかわいそうだなんて思ったこともありませんでしたが、これはあんまりだと思いました。 コヨーテはあわてて逃げ出し外のサクの上で振り返ると、家の外に家族全員が立っていました。デビィも立っていたのです。デビィへのプレゼントの箱は、空っぽだったのではありません。その箱を開けるとすぐに、デビィは歩けるようになったのです。 みんなが「メリークリスマス、サンタさん!」と手を振っています。 コヨーテも、「ホ、ホ、ホー、メリークリスマス!」と叫びました。が、その時足を滑らせてドスンと大きな音を立てて地面に落ち、サクに足をぶつけてしまいました。コヨーテは、情けない声で笑うと、足を引きずりながら暗い夜の中に消えていきました。 この様子を一部始終を見ていたカラスにからかわれたコヨーテは、カラスをミートボールに変えてしまおうかとも考えましたが、思い直しました。今夜はたくさん魔法を使い過ぎたし、それに何と言ってもクリスマス・イブですからね。 (Summarized by Hanamari) この家には、おじいさんとおばあさんしか大人はいないようです。ラコタでは両親がいないこともよくあるので、そんな時は親族の誰かが子供たちの面倒とみるのだそうです。そしてクリスマス・ディナーといっても、ミートボール入のスパゲッディにパンプキンパイと質素なものです。 またラコタはでは、食事時にお客さんが訪れれば、いつでも何かしらもてなしをするのだそうです。クリスマス・ツリーはジェニパーの木。 まさにラコタのお話ですね。 ここに出てくるカラスは、もしかしたらコヨーテよりも上手に魔法がかけられるのかもしれません。 藁をプレゼントに変えたのは、いったい誰だったのでしょう? クリスマスのスピリットでしょうか?カラスでしょうか? 魔法をかけられたのは、イヌや馬や牛だけだったでしょうか? この家族だったのでしょうか? それとも、コヨーテ自身が誰かの魔法にかかったのでしょうか クリスマス・イブの夜に、大人がゆっくり楽しめるお話です。 クリスマスのスピリットは、もしかしたらどこかで見守っていてくれるのかもしれません。 目の前の駐車スペースが空いたり、道を譲ってもらったり、気がつかないうちに私達に幸せを運んでくれているのかもしれませんね。
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最終更新日
2011年12月24日 16時16分39秒
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