カテゴリ:本
梶井基次郎 ちくま日本文学 長いこと気になっていたことがある。 それは、「桜の木の下には死体が埋まっている。だから、桜があのような色をしている」というもの。 落語のマクラで聞いたのか、ラジオのパーソナリティが言ったのか、おしゃべりな歌手がコンサートで言ったのか、記憶がないが、 誰が、いつ、言いだしたのか、調べたいと思っていたのだ。 簡単なのはネット検索。 だが、ネットの信憑性は低い。 特に、この「桜の木の下」については、自分が発見したような書き方をしたものが多い。 今年も、桜の季節になった時、これを思い出した。 誰なのだろう? ということで、ネットの検索を総合して、この本に行き着いた。 梶井基次郎の作品を集めた本だ。 この本の中に、「櫻の樹の下には」と題した作品が収められている。 まさに、桜の木の下には死体が埋まっている、という内容だ。 だが、その表現に明るさはない。暗く陰鬱な表現が続く。 梶井は、胸も心も病んでいたようだ。 荒廃した梶井の心が、「櫻の樹の下には」を書かせたのだろう。 読んでいると、こちらまでおかしくなってきそうな作品だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本] カテゴリの最新記事
|
|