カテゴリ:本の感想(さ行の作家)
島田荘司『屋上の道化たち』 ~講談社、2016年~ 御手洗潔シリーズ最新刊です。長編短編含め、シリーズ通算第50作目に当たるようです(厳密には、リストには『島田荘司読本』などエッセイ集に収録された短編は含まれません)。 久々の御手洗シリーズの長編ということで、わくわくしながら読み進めました。 帯には、「自殺するはずのない男女が、必ず飛びおりて死に至る―」とあります。 舞台は、ある銀行。飛び降りるのは、全員その銀行の職員です。結婚を目前に控えた明るい女性が、屋上に水やりをしに上がった直後に飛び降りる……という事件から始まり、次々に事件が連鎖します。 非常に不可解な事件ですが、この飛び降り事件以外にも、同じ時期にこの街では奇妙なことも起こっています。はたしてそれらの関係は……。というんで、期待に違わずとても面白い物語でした。 なお、御手洗さんと石岡さんは、「SIVAD SELIM」からまもなくの、1991年1月にこの事件に携わることとなります。二人の掛け合いや、面白いキャラクターの記者とのやりとりもとても楽しいです。そして炊飯器でつくるみかんケーキが美味しそうです。 ※御手洗潔シリーズ略年表はこちら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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「呪われた屋上」という設定が面白そうで、のぽねこさんの記事を見てさっそく購入しました。なるほど・・・という展開でしたね。
「屋上の道化たち」というタイトルで、解散直前のビートルズが演奏した「ルーフトップコンサート」を連想しましたが、偶然?にも著者の島田さんもこの作品をほぼ書き上げた頃にプロデューサーのジョージマーティンの訃報に接したそうです。 (2016.05.13 21:56:46)
コメントありがとうございました。
ビートルズに関する興味深い情報をありがとうございます。不思議な縁ですよね。 本書は待望の御手洗シリーズ新刊ということで、さらにユーモアたっぷりの物語でぐんぐん読めました。 (2016.05.14 22:02:09) |
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