ハウスの解体・搬出
11月11日。急遽、今年中にハウスの骨組みをセンター横の地面に組み立てる事になった。当初は来年の春組み立て予定ではあったが、また来年になってしまうとどうなるかわからないので、今できることをやっておこうということになった。それに、今週は天気が比較的よさそうなのだ。近所のおじいちゃんの使わなくなったハウスの骨組みをもらえることになっていたので、まずはその解体作業から行う事に。期間は次の寒波が来て雪が積もるまで。おそらく11日からは、1週間あるかないか。急がなくてはならないが、センターの戸締りと片付け、その他もろもろの業務のため、メンバーが揃わない。どうしようか考えているときに、素敵な人物が登場した。それはこのハウスの骨組みの持ち主のWさん。百姓歴はもう40年以上だろうが、今は引退され、自家菜園をされている。しかし、ほんとうに器用な方で、我々がまごついていると、常に解決の道を見つけてくれる。解体は簡単だろうと、少し高をくくっていた部分が正直あったが、とんでもないコツがいるのです。一本一本の支柱パイプは地中約50センチは埋まっているので、それを揺さぶって引き抜こうとするがなかなかうまくいかない。力任せに引き抜こうとしても腰を痛めるだけ。そんな時、「テコの原理を応用しろ。」とWさんは支柱パイプに丸太をロープで巻きつけて、その丸太を押し下げることで、楽に支柱パイプを引き上げる方法を教えてくれる。やっぱり根っからの百姓だ!こういう知恵というか手先の器用さが自分には全く欠けているんだなあと痛感。こんな風に、こんな時はこうする、あんな時はああする、なんて色々と知恵を働かせて応用が利くようにならなければならぬ。それが百姓というものなのだろう。途中までいつもいつもお世話になっているMさんに参加していただいたので、解体自体はその後スムーズに行う事ができた。ところが、この解体した骨組みをどう運ぶかが問題で、支柱パイプの長さは3メートル以上、そして60本以上。それも弓なりに曲がっている。我がトラックの荷台では到底運べそうに無い。当初は町内の工務店の方の力を借りようとしたが、ここでまたしてもWさんは「いや、他人の力など借りなくてもできる。」と断言。トラックの荷台の側面に荷台の長さ以上の板をくくりつけ、そのうしろ部分の両端を板でくくりつけ、あっという間に荷台の長さを延長してくれた。「これでなんとかなる。」やっぱり百姓だ。ほんとうに尊敬できる。こうして何とか無事に解体・搬出作業ができた。11月14日午前中には、パイプを含めたすべてのハウス器材をセンター敷地内に積み下ろしを完了した。いつもいつも、つい人の手を借りようとしたり、買ってくることで済ませようとしてしまうが、こうして知恵と手があればたいていのことは自分達でできるのではと思った。実際、Wさんはそうしてきた。もちろん、今すぐそれができるわけでもない。しかし、こういう経験を一つ一つ積み重ねていけば、いつかきっとその境地にたどり着くことができるに違いない。by Yasu