●「友達と一緒にいるため」
●ある時期からお小遣いだけではお金が足りなくなってきた。
それは、高校生になってからだ。
学校の帰りに友達とカラオケに行く、
映画を観にいったり、食事をしたりする。
日曜日には、ボランティアへ行くために交通費がかかる。
そして携帯電話の通話料も払うとなれば、
とてもじゃないけれどお小遣いだけでは足りなくなってきた。
むしろ中学生の頃まではお金がたまる一方だったのに、
小遣いだけでは足りなく、
お年玉と貯金も食いつぶしてしまった。
「やばい、せめて携帯電話代くらいは稼がなければ…」
これがバイトを始めるきっかけだった。
といっても、バイトを好んでやりたかった訳ではないので、
年末年始に1週間くらい短期で神社の巫女のバイトをしていた。
巫女のバイトは夜に弱い僕にとって、
眠気との戦いはしんどかった。
けれど、新年のめでたいところで働くものなので、
嫌な人が少なかった。
だから年に1度のこのバイトが、
お手伝い感覚で出来るもので楽しみでもあった。
高校を卒業したらもっと金がかかりそうな予感がした。
「自分の交際費くらいは稼がなければ」
と思い日常的にバイトを始めることにした。
バーミヤンという中華料理チェーン店でホールのバイトをはじめた。
バーミヤンでのバイトは店長との相性が悪く、すぐにやめてしまった。
(続く)
(しんご)
■Youthライフヒストリー・スナップ ■
~◎「仕事」編~しんご(その1)
■ 【ライフヒストリー・スナップとは?】誕生日が一日違い、同い年21歳のレズビアン・ユース(みかこ)とゲイ・ユース(しんご)がいろいろなテーマについて書くライフヒストリー。『QM』誌のレギュラー連載です。今回のテーマは『仕事』です。
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