明確な理由はないが、漠然と… ~小学生~(その1)~
■「いってきまーす」と言って僕は家をでる。そして毎日毎日学校へ行く。この日常に僕は大学へ入学するまで疑問に感じたことはなかった。「ジャンケンポン」「勝った。オレ鈴木もらい!」「うーん、取られちゃった。なら佐藤!」月1回のレクレーションの時間にこれからクラス全員でサッカーをする。それでクラスの中で一番うまい子たちがチーム分けをしている。スポーツが苦手な僕にはとても苦痛だった。クラス内で特定のグループに入るという感覚が僕は苦手だった。だから、学校の中ではみんなとそれなりに仲良くもするが、特定の人と仲良くしている訳ではなかった。身の置き場には困ったけれど、小学校にいる間、「仲間」や「居場所」ということを考えていた訳ではない。ある人との出会いが僕の中で「どうやって人は仲良くなることが出来るのか」「信頼関係はどうやって作るのか」「自分には仲間はいるのだろうか」と考えるきっかけになった。それは、小学校5,6年生のときだった。クラスのいわゆる「問題児」と呼ばれる男子と仲良くなるように先生に言われた。最初は嫌だったが、卒業する頃には一番の親友になっていた。彼との出会いが、学校での「居場所」や「仲間」を意識する引き金となった。同時にそれは、僕が居場所を学校に求めなくなるはじまりであった。(つづく)(しんご)▼しんご~学校編(その2)へ~「居場所は作るもの? 探すモノだ~中学校~」▽みかこ~学校編(その1)へ~学びたいことが学べない================================1clickで応援~「学校」編/しんご(その1)~■Youthライフヒストリー・スナップ ■■ 【ライフヒストリー・スナップとは?】誕生日が一日違い、同い年21歳のレズビアン・ユース(みかこ)とゲイ・ユース(しんご)がいろいろなテーマについて書くライフヒストリー。『QM』誌のレギュラー連載です。今回のテーマは『学校生活』です。▼感想はこちらから。