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ブラッドオレンジに接したのは、ミラノでモロゾフのSさんにすすめられたのが、最初だった。大柄なコップに、見るからに毒々しい濃赤色の液体がたっぷり入っていた。生しぼりのジュースだという。 飲んでみると、劇的に濃密で刺激的なまでに甘酸っぱい。今まで、通りの悪かった鼻口腔周辺が、急に突き抜けて快適になったような、脳髄のセンシティブなポイントに氷を直に当てられたような。「鮮烈」とか「清涼」という言葉がぴったり当てはまる、何とも不可思議な味わいに、本当に驚いてしまった。 あのときの感動を再度味わいたくて、その名前を目にするたびに試していた。ジュース・シャーベット・ジェラート・カクテル等々。しかし、どうにも芳しい結果は得られない。似て非なるものという印象しか持てなかった。 最近になって2度、その種の品物を味わう機会があった。佐倉の「川村記念美術館」の売店で、ブラッドオレンジソーダなるものを購入した。「アランチャータ・ロッサ」メイド・イン・イタリーで、派手な凹凸曲線のボトルに入っている。330ミリで298円。 また、ミニストップで今売り出し中の「ブラッドオレンジソフト」を買った。単色もミックスも、双方試してみた。こちらは一つ189円也。 残念ながら、どちらも私が求めている味とは異なっていた。コクと香りが足りない。酸味系味覚の心臓を(ズキッ)と射抜くような強烈なインパクトが欠けている。 やはりこれは本場に行って、本物の「生」を味わうしか手だてがないのだろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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