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共同通信がアスベスト被害について伝えています。
奈良県立医大の車谷教授によると、兵庫県尼崎市のクボタの旧神崎工場の周辺半径500メートル以内では、中皮腫の死亡リスクは、女性で全国平均の18.7倍にも上るそうです。男性では、11.9倍なのだそうですが、男性が外に働きに出ている間にも、女性が自宅あるいは自宅周辺にいるからだと私は思います。 全国平均値は、仕事でアスベストを扱っていた人を含んでいるそうなので、実質的にはもっと18.7倍という値はもっと高く見積もるべきだと思います。 しばらく前に、民主党の前衆議院議員の佐藤謙一郎さんの勉強会「洗心洞大学」(こちらを参照)でも、この問題が取り上げられていましたが、このクボタの工場では、従業員がアスベストの被害に遭わないように、従業員に対してはしっかりとした対策をとっていましたが、アスベストを含んだホコリを窓から扇風機を使って外に排出していたそうです。 このアスベストを含むホコリが風に乗って運ばれ、風下に当たる地域で中皮腫死亡者が多発しているという調査結果があるそうです。 アスベストのホコリは、長さ数ミクロン(1ミクロンは1ミリの千分の1)の鉱物質のトゲのようなものです。これが人間の肺の中に入り込むと、酸素をやりとりする細胞の膜に突き刺さり、長年吸い続けると数十年を経て中皮腫を起こします。 アスベストなどの危険物の対策をするのだけれども、危険物を外部に追い出してそれで事足れり、では、真の対策とは言えません。 追い出した先で、また別の問題を引き起こします。 水俣病に始まって、最近千葉県で起きたJFEの廃液垂れ流しのデータ改竄事件なども同様のことでしょう。 日本では、何か問題が起こったときに、場当たり的に弥縫策をとってそれで幕引き、自分の身に害が及ばなければとりあえずそれでよい、としてしまうことが多いように思います。 日本人は、もっと、本質的なことに目を向けて、根源的なところから問題を含む部分を摘出するようにすべきです。 談合事件でも、構造計算の偽造と言った手抜き工事でも、多発する児童虐待事件でも、薬害事件でも、その場しのぎの解決ではなく、法制度、社会常識の部分から、再検討されるべきだと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005/11/23 08:44:51 PM
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