テーマ:政治について(19885)
カテゴリ:政治
パキスタンで演説を終えたブット元首相が暗殺されてしまったそうです。
ブット首相の世俗派的政策が許せないイスラム原理主義派の犯行だと言われています。 これで来月8日に予定されていた選挙もどうなるかわからなくなりました。 不安定なムシャラフ政権では、イスラム原理主義を抑えられず、パキスタンもイラン同様の国になってしまうかもしれません。 パキスタンは、核兵器を保有している国です。 日本人は、パキスタンなんて関係ない、と、思うかも知れませんが、核兵器保有国が、イスラム原理主義の手に渡り、仮にアルカイダが跋扈するような状況となったときにどれほど恐ろしいか。 「あの戦争」でもそうでしたが、満州事変後の満州景気に浮かれて軍国主義化に無抵抗、都市空爆や2発の原爆で、実際にその恐ろしい地獄絵を見るまで日本人は何も感じていなかったのです。 来年、クーデターでも起きて、ムシャラフ政権が倒れると、連鎖反応でアフガニスタンもタリバンの手に落ちて、世界は最悪の状況になってしまうかも知れません。 インド洋上の給油活動の再開が問題になっていますが、給油活動を継続しないとパキスタンがテロとの闘いから脱落してしまうかも知れない、などという声もありました。 であれば、パキスタンに核を捨てさせる口実に使えばよいのに、遂に、政府の中に、給油してやるから核兵器を廃棄せよとパキスタンに迫る動きは出てきませんでした。 日本人は、パキスタンなんて遅れた国と思い込んでいるかも知れませんが、核技術をEUから盗み出して、リビア、北朝鮮、イランにバラ巻いた、カーン博士だけが有名なのではありません。 弱い相互作用(「ベータ崩壊」と言われる、中性子が崩壊して、電子と陽子に分裂する作用)と電磁気相互作用を統一記述するワインバーグ・サラム理論というのがありますが、このサラムというのはパキスタン人の物理学者です。 不勉強なので、この理論の中身まではわかりませんが、一級の理論であって、日本人がパキスタンを低く見たりするのはバチ当たりです。 そもそもの間違いは、米国のイラク侵攻にあるのです。 せっかくアフガニスタンからタリバンを掃討したのに、戦線を拡大させて手が回らなくなり、アフガニスタン、イラクともに泥沼化させてしまいました。 そして、小泉政権は、米国ブッシュを制止するどころか手を貸して煽り立ててしまったのです。 アフガニスタン、イラクに続いてパキスタンまでが混迷状態になれば、その責任は日本にあります。 「自衛隊のいるところが非戦闘地域」などとデタラメなことを言っている政権に選挙で300議席以上も与えてしまったことが、ブット女史の暗殺を引き起こしたのです。 -------------- 理工系受験生向け大学入試問題研究サイトはこちら 大学入試問題検討ブログはこちら --------------- 応援、激励、賛同のコメントはこちらへお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007/12/28 10:17:33 AM
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