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新銀行東京への400億円の追加出資が槍玉に挙げられています。
本日付朝日社説なども、再建見込みもなく延命させても赤字が膨らむだけだとして、猛然と追加出資を批判しています。
私も、今回の追加出資は、銀行の破綻を後送りし、知事在任中に責任をかぶりたくない、次の知事に責任を押しつけよう、ということだろうと思います。

ですが、現都知事が大嫌いで東京を逃げ出して横浜に移った私はもっと冷たい目で見ています。
一つ前のブログでも、板橋区の小学校を卒業した子どもの哀しい事件について書きましたが、現都知事になってからの東京の教育の荒廃ぶりは目に余るものがあります。
「君が代」斉唱しない教員は処分する、というのと同じ感覚で新銀行東京の運営もなされていたわけで、設立目的がどうあれ、デタラメな経営がなされて誰も責任を負わない、誰にも文句は言わせない、という官僚社会主義そのものだからこその破綻です。

こういう都知事であるということは１期目のときからわかっていたはずです。
今になって、都知事を批判するのであれば、２選のときに東京都民はどうして投票用紙に「石原」と書いたのか？３選のときにどうして「浅野」と書かずに「石原」と書いたのか？
何らの原因究明も行われず、責任追及も行われず、400億円の追加出資を行っても、焦げ付くのは目に見えています。
浅野都知事だったら、400億円の追加出資を容認するはずもなく、即座に清算処理に移っていたでしょう。
選挙で圧倒的多数の人が「石原」と名前を書いたか、さもなければ選挙に行かなかったのだから、都民が１世帯当たり２万３千円の負担をさせられるのは、当然のことだと私は思います。
こうなりたくなかったのなら、「浅野」と書けば良かったのです。

新銀行東京の「ミドルリスク・ミドルリターン」というビジネス・モデルについては、森永卓郎さんが厳しく批判しています(こちらを参照)。
ですが、私は、資金繰りに困った中小企業経営者にＳＦＣＧ(旧商工ファンド)やロプロ(旧日栄)のような高利貸しのところに行かないようにさせるためには、こうした金融機関は必要だったと思います。
「ミドルリスク・ミドルリターン」というビジネスモデルなど存立し得るはずがない、というのではなく、中小企業への金融を成立させるためには、どういう作業を銀行業務に付加させなければならないか、銀行自体が中小企業経営のアドバイザーとなり営業集団となるような、もっと新しいビジネスモデルを開発すべきだった、と、私は思いますが、「君が代」も歌えないヤツは出て行け、という発想では、新しいビジネスモデルなど出て来るはずもありませんでした。
都知事は大嫌いでも、都知事の新銀行東京の設立目的自体は、私は間違っていないと思います。
経営手法がデタラメで、しかも、どのような経営を行っているのかというチェックが不充分だったということが破綻の原因だと思います。
ですが、「君が代」も歌えないヤツは出て行け、異分子は出て行け、という発想法では、こうしたチェック体制を構築するのは無理です。
現都知事にできるような企画ではなかったのです。

結果的に、焦げ付きそうな融資先に対して、大手銀行が新銀行東京への借り換えを実施させて、東京都民の血税が1400億円、大手銀行の餌食にされた、ということになりました。
まさに「東京オリンピック誘致」に踊らされた選挙の結果であって、東京都民の自己責任であり、東京都民は、選挙の結果に対してきちんと責任を負うべきです。

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