テーマ:ヨーロッパ旅行(4174)
カテゴリ:旅
念願のラフロイグ蒸留所訪問を果たした僕。気が付けばもうお昼時。しかし、この辺りでまともな昼メシが食べれそうな場所と言えば、アードベグ蒸留所(写真左)のレストランしかないということは、日本で知り合いのバーテンダー聞かされていた。
1カ所しかないということは混雑は必至。急げ、アードベッグへ。ラフロイグからアードベグまでは、車で7~8分ほど。 この辺りまでくると道路は未舗装のところもあり、車も少し揺れる。でもアイラの道の運転にはもう慣れた僕は軽やかにハンドルを切る(笑)。 レストランはショップのすぐ横にあるが、予想通り、見学客で混んでいてほぼ満席。幸い、僕らはぎりぎり2人分の席に案内された。 レストランは40席ほどの広さだが、それにしてはフロア担当の従業員が少ない。後から来た人たちはほったらかし(タッチの差で遅れて来て、並んでいる人たち多数! 早めに来て良かった!)。 昼飯には、アードベグ名物のカリフラワーのスープ(あのクリスティーンがおすすめだった)と、ハギスのサンドイッチ(写真右)。 飲み物は、残念ながらジンジャーエール(でも、車で来てもアルコール飲んでるやつもたくさんいたぞー)。ハギスのサンドイッチは、臭みも少なくとても美味しい。あぁビールがほしい。 腹ごしらえが終わった後、アードベグのショップ(写真左)土産物を少し買った。知り合いバーテンダーから灰皿を頼まれていたが、係の女性に聞いても、「ごめんなさい。灰皿はもう売っていないの…」とのこと。 英国内では7月からレストランやパブも含めてすべての公共の場所での全面禁煙がスタートした。自分が泊まるホテルの部屋でも吸ってはいけないという徹底ぶり。 当たり前だが、喫煙を前提とした灰皿は土産物としては売りにくい(売れない?)のだろう。そういえば、ボウモアもラフロイグでも灰皿は土産物にはなかった。 アードベグ見学の次には、アードベグとラフロイグの中間辺りにあるラガヴーリン蒸留所(写真右下)にも少し立ち寄る。アイラのどこの蒸留所を行っても同じことを思うが、周りの自然環境に恵まれ、どの蒸留所の建物も、白壁がとても美しい。 こんな風景がいつまでも大切に守られるアイラ島であってほしいが、いま、島は若者の英本土への流出が続き、過疎化・高齢化が進んでいるという(まるで日本と同じだ)。 アイラという島が生み出した、素晴らしいウイスキー文化を将来にわたって、守り育てていく術(すべ)はきっとあるはずだ。僕ら日本人もできる限り協力したいと思う。 さて、僕らはこの日の夕方に再び飛行機に乗り、アイラを離れる。ボウモアまで戻って来たけれど、後(あと)はガソリンを満タンにする以外はとくに予定もない。 で、再び島のなかをドライブして時間をつぶすことにする。今度はボウモアからさらに北西を目指す(写真左下=ラガヴーリン蒸留所内を流れる川)。 そして、ガイドブックに出ていた「アイラの暮らし博物館」(写真右下)にお邪魔する。ここでは、古代から現在に至るアイラの人々の暮らしが、さまざまな生活道具とともに紹介されている。 第二次大戦中はボウモアの前の海(内湾)は、英海軍の飛行艇の基地だったという話も知った。おだやかな湾が軍事基地に使われていたとは驚きだった。 博物館の帰り道、アイラモルト蒸留所の一つ「ブルックラディック」(写真左下)の前を通りかかる。まだ時間はあったので、ショップに寄って、ここでも少しお買い物。前からほしかった陶器製の水差しなどを購入する。 ここのショップは今回訪れた蒸留所では一番大きい。他の蒸留所とは違って、限定のモルトを自分でボトルに入れて買えるのが嬉しい。しかし、場所が辺鄙なところにあるせいか、訪れている観光客は少なかった。 さて、そろそろ空港へ向かわねばならない。僕らはボウモアの街に1軒だけあるガソリンスタンドに車を止める。給油はセルフ。しかし、タンクの蓋を外し、注油するまでの手順は分かるが、タンクが満タンになったかをどうやって知るのかよく分からない(自動的に止まるのか?)。 考えあぐねている僕らを見かねて、ガソリンスタンドの経営者でもある雑貨屋の店主が代わりに給油してくれた。2日間よく走ったが、使ったのは10ポンドほど。さすが日本車は燃費がいい。給油を終えて、一路、空港へ。もうすっかり走り慣れた道だ。 午後4時半頃、空港に着いてレンタカーを返す。VISAカードで支払いを済ませ、航空会社(英国航空)のカウンターでチェックインしようとすると、なんとロビーに、あのクリスティーンが待っていた! 僕らを見送りに来てくれ、お土産まで用意してきてくれた。僕は感激のあまり、感謝の言葉がうまく出てこない。クリスティーンからは、「日本のバーテンダーたちに、よろしくねー」と、個人的な贈り物を手渡してくれるよう頼まれた。もちろん僕は喜んで引き受けた。 「かならず、もう一度会いましょう。かならず、絶対にアイラに戻ってくるから!」。僕はそれを言うのがやっとだった。ボウモアのデイビッド、ラフロイグのジャック、そしてクリスティーン。今度いつ会えるかは分からないが、彼らから受けた歓待は一生忘れない。 また来たい。近い内にまた来たい。ロッホサイド・ホテルのパブで酔いつぶれるまで飲みたい。 今回行けなかったカリラやブナハーブン、キルホーマンという蒸留所へも行きたい。もちろん、ボウモアへもラフロイグへももう一度。 僕はもう、「アイラ」という重い病(やまい)にかかった気分。アイラ島と島の素晴らしき人たちに、心から「スランジバー!(Slainte mhor)」(=ゲール語の「乾杯」)。この島は、確かに「スコッチモルトの聖地」だった。 【追記】アイラからグラスゴーまでの帰りの便。アイラ空港の機内持ち込みの検査は、今回の旅で一番厳しかった。人種に関係なく、カバンを開けさせられ、中をチェックされた(僕ももちろん)。検査は軍人でも例外ではなく、乗り合わせた迷彩服姿の英陸軍の軍人さんまでヒモ靴を脱がされていた。公平感があって、これには納得。 それにしても、行きは40分かかった飛行機なのに、帰りは気流の関係なのか、わずか20分(いくらなんでも半分の時間とは!)でグラスゴーに着いたのには少々驚いた。 ◆英国への旅:グラスゴー&エジンバラ編へ続く。 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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