4978720 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2010/01/31
XML
カテゴリ:アート&ブックス
 このところ、推理作家・東野圭吾の作品で、加賀恭一郎(かが・きょういちろう)という刑事が出てくる一連のシリーズ(計8作品あるそうです)を、むさぼるように読んでいます。51YH3KbF+-L__SL500_AA240_.jpg

 昨年発表され、ベストセラーになった最新作「新参者」から、発表年をさかのぼって読んでいるので、まだ全作品制覇に至っていませんが(現時点では5作品=「新参者」「赤い指」「嘘をもうひとつだけ」「私が彼を殺した」「悪意」です)、どの作品も睡眠不足になるほど、ハマッてしまいます。

 加賀恭一郎が初めて登場したのは1986年、東野のデビュー第2作「卒業」です(これは未読です)、加賀は国立T大学に通う大学生で、在学中に巻き込まれた連続殺人事件の探偵役として登場します。その3年後の1989年の「眠りの森」(これも未読)では、警視庁捜査一課の刑事として再登場します。414qgzKz75L__SL500_AA240_.jpg

 さらに、1990年代中盤から後半にかけては主に警視庁捜査一課や練馬警察署に勤めているという設定で、「悪意」や「どちらかが彼女を殺した」「私が彼を殺した」「嘘をもうひとつだけ」という作品で登場しています。

 2002年発表の「私が彼を殺した」は、(ネタばらしになるので詳しくは書けませんが)容疑者たちの中から、加賀刑事(すなわち作者)が犯人を明確に提示しないで終わるという“掟破り”の書き方で読者に論争を巻き起こしました(袋とじの「推理のヒント」が付いているという凝りよう)。41T3FCGTJTL__SL500_AA240_.jpg

 2006年に刊行された「赤い指」では住宅街の公園で起きた少女の死体遺棄事件から、どこの家族にでもあるかもしれない「闇」の部分に迫りました。そして2009年、あの書評家としても有名な俳優・児玉清氏をして「今年出版された本の中で文句なしに最も面白い!」と言わしめた話題の「新参者」へと続きます。

 「新参者」では、加賀刑事は前作の練馬警察署から日本橋警察署へ転勤したという設定ですが、日本橋界隈という下町を舞台にした9つの短編がそれぞれ、「完結した人情推理もの」になっていながら、すべてが結末編へつながってゆくという構成が、実に見事というしかありません。516H835MC0L__SL500_AA240_.jpg

 加賀刑事は独身で、30代半ばから30代後半という設定。初登場時は大学生でしたが、東野作品のプロフィール設定では卒業後に教師になったものの、ある出来事から「教師としては失格」と思って教師を辞め、父親と同じ警察官になりました。母親は蒸発しており、その原因が父親の多忙さにあると思っていて、父親とは仲はあまり良くありません。

 警視庁では本庁捜査一課と練馬署(捜査一係)を往復した後、最新作の日本橋署へ異動します。国立大の社会学部の出身ですが、在学中は剣道部の部長(段位は六段)を務め全日本選手権で優勝したこともあるので、どちらかと言えば体育会系でしょうか。4167PA74JML__SL500_AA240_.jpg

 警察官になってからは、どちらかと言えば協調性の少ない人間として描かれています。先輩や同僚と協力しながら事件を解決するというよりも、単独行動して事件解決の糸口をつかむのが加賀のやり方です。しかし、冷静沈着で、事件全体を見通せる能力はピカ一です。まぁ推理小説の主人公の刑事としてはよくあるパターンでしょう。

 加賀は口数は少ないけれど、人情に厚い刑事です。犯罪者に対しても、優しさや思いやりを失いません。「新参者」では、ある事件の裁判で弁護側の情状証人として出廷したことが記され、そのせいで所轄の日本橋署に異動(左遷か?)となったとのことです。ちなみに加賀の趣味は、「新参者」の中では茶道とクラシックバレエ鑑賞となっていますが、小説の中では趣味に打ち込んでいる場面は出てきません(笑)。

 残る「加賀シリーズ」は3作(「卒業」「眠りの森「どちらかが彼女を殺した」)ですが、全部すぐ読み終えてしまったらつまらないので、あわてずに挑もうと思います。現実の警察の世界では、加賀のようなキャラの刑事はなかなかいないでしょうが、そこはまぁ小説の世界だから許しましょう。東野さん、加賀刑事が日本橋界隈で活躍する「下町人情もの」の続編をぜひ書いてくださいなー。

 ※本の表紙画像は基本的にAmazon上のものを引用しています。Amazon.Japanに感謝します。


こちらもクリックして見てねー!【人気ブログランキング】





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012/09/29 12:13:27 AM
コメント(2) | コメントを書く


PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン)@ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。

▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。

▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Archives

Freepage List

Favorite Blog

「続^3・ほうとう」 はなだんなさん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
きんちゃんの部屋へ… きんちゃん1690さん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.