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Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2018/08/07
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 さて、この旅日記もそろそろ終わりに近づいてきました。毎回「前振り」として、オランダ事情をあれこれ紹介してきましたが、まだ取り上げてなかった大事なテーマがありました。オランダ国内での語学教育についてです。

 今回の訪問前、「オランダ人の95%はきれいな英語が話せる(逆に、オランダ語しか話せない割合は5%程度)」と聞いていました。実際、そうでした。年配の人(概ね70歳以上)以外は、英米人以上にきれいな発音で流暢に喋ります。

 英語を母国語としない国民での「英語力ランキング」では、オランダは毎年、デンマーク、スウェーデンと並んでいつもベスト3に入っています。なので(オランダを)実際訪れた人からは「観光旅行だけなら、どこでも100%英語で通じるよ。オランダ語なんて覚える必要ないよ」とも言われていました。


 それでも、僕はオランダに旅行に行く前、オランダ語を3カ月ほど独学で勉強しました。やはり現地では現地語でコミュニケーションがとれたら楽しいだろうし、相手との距離もうんと近くなると思ったからです。しかし結果的に、旅行中オランダ語を使った(喋った)のは、数えるほどでした。

 毎日、比較的毎日よく使ったのは、Goodemorgen(フーイェモるヘン=おはようございます)、Goodemiddag(フーイェミダッハ=こんにちは。Halloも普通に使います)、Tot Ziens(トッツィーンズ=さようなら)、Dank u wel(ダンキューヴェル=ありがとうございます)、Pardon(パルドン=すみません! →仏語でも同じですね)、Het is lekker(ヘッティス レッカー=とても美味しいです)くらいです。

 一度だけ使ったのが、お土産のコーヒー豆を買った店のお姉さんに「どこから来たの?」と聞かれて答えた Ik kom uit Japan.(イッコム・アウト・ヤパン=日本から来ました)。「観光でわずかの滞在なのに、なぜそんなにオランダ語が喋れるの?」と嬉しい誉め言葉を貰いましたが、まぁ、丸暗記していただけです(笑)。


 しかし冒頭に書いたように、オランダ人はほぼ誰でもきれいな英語を話すので、結果的に、旅行中の会話は基本、ほぼ英語ということになりました(もう少し、僕がオランダ語が上手く話せたら、きっと相手もオランダ語で返してくれたでしょうが…)。(写真は、ダム広場そばのオープン・カフェ)。

 余談ですが、オランダ人は英語だけでなくドイツ語やフランス語など他の言語も話せる人が目立ちます。EU代表部の調査によれば、EUの中でオランダ人の「マルチリンガル度」は第3位なのだそうです。具体的には、国民の約9割がバイリンガル。約8割が3カ国語以上話すマルチリンガルで、「母語+2言語以上」話す割合は77%、「母語+3言語以上」話す割合は37%もあるそうです(なかには12カ国語を話す人もいるそうです)。

 それにしても、なぜオランダ人はこんなに英語が上手いのでしょうか? 元々、インド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派に属するオランダ語は、同じ語派の英語やドイツ語などと非常に近い言語で共通の言葉も多いので、習得しやすいという有利さはあります。さらに、オランダ人は好奇心旺盛で、知るための努力を決して惜しまない=語学を学ぶことにも意欲的という国民性もありました。


 しかし、それでも欧州でも群を抜くオランダ人の語学力の高さには、いくつかの理由があると言われています。
 以前にも一度書きましたが、人口1700万人で九州程度の国土しか持たず、たいした資源もない小国のオランダは、内需だけでは経済を維持できません。外国と交易するしか国を発展させる術(すべ)がなかったので、近隣国の英語やドイツ語を理解する(話せる)ことはビジネス上、必要不可欠で、とても重要でした。逆に、国際性ゼロのオランダ語が役に立たないことをよく心得ていました(写真は、アムスのフライドポテトの専門店前の行列。行列は好きじゃないオランダ人ですが、ここばかりはいつも長い列が)。

 加えて、海洋国家として発展してきたオランダ人は元々、良い仕事を得るためには外国で働くこともいといませんでした。逆に、優秀な人材を外国から呼び込むためには、ビジネスの公用語を英語にする必要があったのです。実際、オランダ国内の官庁や民間企業では、英語が話せることを採用条件にしているところが多いそうです。なので、極端な言い方をすれば、英語ができなければオランダでは就職もできないのです。


 一方、政府は(とくに戦後ですが)、幼少期からの徹底的な英語教育に力を入れてきました(英語教育は小学校の7、8歳頃からスタートします)。初等英語では、動詞の変化や定冠詞の用法など文法を教えることはせず、コミュニケーション能力に重点を置いているそうです(私立の中学校などは「在学中に3カ国語を習得させます」を宣伝文句にしているところもあるとか)。(写真=アムスのパブはいつも賑やか。パブの従業員も明らかにオランダ人と分かる場合以外は、基本、英語で話しかけてきます)。

 また、オランダ国内で放送される英語のテレビ番組(映画、ドラマ、ニュースなどかなり数多くあります)には、必ずオランダ語の字幕を付けることが法律で義務付けられています。オランダ人の話によれば、字幕は意味を確認する程度にしか使わないので、結果的に、耳から自然と英語を覚えてしまうそうです。

 言語学的にも有利なのに、”英語シャワー”的な環境が日常的にあるオランダ人は実に恵まれていますが、それでも日本人の英語教育のレベルアップにもいくつか参考になることがあるかと思います。とくに、外国映画や外国テレビ局のニュースを字幕付き画面で、耳から聞くこと(理解すること)はとても大事だと思います。

 いずれにしても、日本各地に外国人がどんどん増えてくる昨今、ビジネス上のことを考えても、日本人はもっと英語能力をアップする必要があるでしょう。とくに僕自身も含めて痛感するのは、欧州人と比べた場合の、日本人の(英語の)ボキャブラリー不足です。これは自らの努力でカバーしていきたいものです。


 さて、最終日も晩ご飯が近づいてきましたが、まだ少し時間があるので、アムステルダム中心部にある酒屋さんにお邪魔しました。



 白州、山崎などジャパニーズ・ウイスキーも売っていますが、目玉が飛び出るほど高~い! 山崎ノンヴィンテージが€158(約2万円!)とは唖然。日本でも7千円~1万円くらいで売っている悪どい酒屋はあるけれど、さすがに2万円はないでしょう。



 レジ向こうの棚はこんな感じ。量り売り用の樽(オランダ産モルトウイスキーやジュネヴァ)が5種類もあります。オランダ産のシングルモルトはお土産で1本購入しました。他にもスコッチのシングルモルトもあれこれ置いていましたが、値段もそれなりでした。まぁ、帰国日のアムスのDFS(Duty Free Shop)で何か探します。


 アブサンも結構いろいろ置いています。



 お酒を入れるためのガラスボトルもいろいろ売ってます。バック・バーにある樽出しの酒をこれに詰めてくれるのかな?
 


 ウインドウ・ディスプレーに結構力を入れてるお店でした。気になるボトルはあったのですが、個人で持ち帰るには限界はあるし、航空便で送ってもらうと馬鹿みたいに高い送料がかかるし…。結局、買ったのは1本だけ。

 さて、買い物も終えて、オランダ最後の晩ご飯の時間です。実は、当初はオランダ料理の(初日の夜とは)別の店に行くつもりをしていました。しかし、夕方に近づいてもその店の中には人気(ひとけ)がありません。臨時休業みたいです(貼り紙くらいしておいてほしいなぁ…)。


 という訳で、きょうは滞在中何度か前を通り、「わりといい感じの店だなぁ…」と気になっていた「Mr.CRAB」というシーフードの店にお邪魔することに。



 店内に入ると、新鮮なシーフードのディスプレー・ケースが目に入ってきます。素材をできるだけ生かした料理を提供してくれるみたいです。
 

 メニューを見ると、ハーグで食べて美味しかったニシンがありました!(Taditional Dutch Herring served with onions and pickles)。もう一度食べてみたいと思い、これは”ぜひもの”で注文。
 

 さらに、きょうは魚で攻めようと思い、お腹のふくれる揚げ物料理も( Deep Fried Lekkerbek with sauce ravigotte/※「Lekkerbek(レッカーベック)」とはタラの一種の魚で、この揚げた一品はオランダの人気料理の一つなんだとか )。当たり前だけど、食べてみると、限りなく英国のパブ料理、フィッシュ&チップスのお魚みたいですが、まぁ普通に美味しかったです)。


 この店、決してイタリアンをうたっている訳ではありませんが、なぜかパスタもメニューにあります。パスタも久しく食べていなかったので、追加でお願いしました(ロブスターがたっぷり入ったクリーム・ソース味。味付けは上手で、期待以上の旨さでした)。


 さて晩ご飯も終えてホテルに帰ります。でも、やはり毎日のルーティーンは崩す訳にはいかないと、帰る途中にあったオープンカフェ&バーに立ち寄り、クールダウン。ウイスキー&ソーダで充実したアムステルダムの夜を締めくくりました。

 そんなこんなでオランダ最後の夜もおしまい。明日はいよいよ帰国の途につきます。あっという間の1週間。アムステルダムの魅力は、まだまだたくさんあるはずですが、それを満喫するには日数が全然足りません。アムスは確実に、もう一度来てみたいと思える街の一つになりました。ダンキュー・ヴェル、アムスタダム(オランダ語ではこう聞こえます)!

 <15回目に続く>

※過去の「旅報告」連載は、トップページ中ほどのリンク「旅は楽しい」からお読みになれます。


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Last updated  2022/11/05 10:17:07 AM
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うらんかんろ

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汪(ワン)@ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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