なぜオスばかりが…
予想もしていないことが起こっていたらしい。僕は言われるまで夜の寂しい音色に気づかなかった。奥さんことP子がスズムシをかっていることは以前の日記でお話しましたが、大事に大事に育てていたスズムシのオスが、立て続けに6匹も他界していたという。卵から育て始めて、あまりにもたくさん孵化したため、P子の実家に半分託し、我が家では20匹を飼育していた。2週間前にポツリポツリとオスが他界。3年の科学の5月号によると、卵を産んだメスが先に他界していくはずなのに、あれよあれよと6匹のオスが姿を消した。ここで問題なのは、残るオスが1匹だということ。メス13匹に対してオス1匹。ハーレムのようでかなりいっぱいいっぱいのオス。毎晩奏でる羽音も弱弱しく、P子はこのオスの行く末を日々すがる思いで見守っているという。ところで実家に託したスズムシだが、なぜか元気満々!義父による手抜きをしながらの気ままな飼育なのに。それに比べてP子は毎朝、きゅうりやなすを入れ替え、霧吹きで土やオアシスを湿らせ、動物性タンパク質を含むえさを欠かさずに与えている。P子いわく、この夏の暑さからスズムシを守るためにクーラーの効いた部屋でほぼ毎日飼育していたことが原因ではないかと語る。今は、最後のオスに全ての期待をかけるしかない。僕もどこにいっても周りが女性ばかりなのでなぜかこのスズムシのやりきれないジレンマが伝わってくるようで、せつない気持ちになった。スズムシも人間も女性は生命力が強い!!(お~こわッ!)<今日の一句> ひとりでも 地に足をつけ 踏ん張れよ!!