|
テーマ:国を憂いて(3492)
カテゴリ:憂国の嘆き
この一ヶ月の間に、スペインにおけるカタルーニャ州、ISILがほぼ壊滅した後のイラクにおけるクルド人が自治から「独立」への動きが表面化している。
独立主権国家というものが、ある意味小さすぎ、ある意味では大きすぎるという現在の国家の在り方を浮き彫りにしているといってもよいのだろうが、私が持つ少ない知識では、これらの問題を本質から問うことは、極めて難しい。 しかし、ひとつは、欧州内、もう一つは中東という地域的な違いはあるものの、欧州の都合によってひかれた国境線に問題があるという共通点がある。 となれば、これまで「民主主義」「民族自決」などと自らの過去の過ちからの反省から出たであろうと思われた欧州の主張ならば、民族としての先進性、歴史を考慮し、異なるアプローチがあるものと思われるが、所詮は「ご都合主義」にすぎないことを白日の下に晒している。 欧州各国が、これらの独立の動きに対して、鈍いというより冷淡ですらあるのは、「住民投票には法的拘束力がない」という法治主義は、もっともなことではあるが、そのようなきれいごとなどではなく、欧州のいくつかの国には、自ら「独立問題」を抱えている。その動きが刺激されないように、との都合が強くにじみ出ている。 例えば、英国では、スコットランドの独立が、独国内では旧東独の独立問題を抱えているのである。(それにしても我が国報道では、独国を理想とするためなのであろうか、独国の抱える問題としての、独国統一後の旧東独に対する歴史の末梢、経済格差からくる独立気運を伝えようとしない。これでは、欧州がなぜ反対するのかという本音のところは見えてこないのである。 コール元首相が苦心惨憺して実現させた独国統一。いまだに、この統一による影は払拭できないでいる。経済規模において、さらに生産性において世界有数の独国でもやはり、一度分断された国家を統一するのは極めて困難な作業であり、長い時間がかかるものなのである。 このような問題を自らの域内に抱え、「統一が揺らぎかねない」が故の「否認」「反対」だと私は見る。 わが国では、欧州の動きに呼応するように、「認めない」などという意見を主張する人々が多いが、はたして、それがわが国の果たす役割なのであろうか??? 我が国としての態度は、言うは易く行うは難しであることは十分に理解する。 しかし、「第三者」でしかないようなニュース報道に絡めとられ、我が国の行く末、我が国の来し方の無理解を助長してはならないのである。 この問題について産経新聞は社説に掲げたが その視点は私から見ると「うつろ」にしか見えない。 産経新聞は、大東亜戦争における我が国の歴史を貶められていることに対し、汚名を雪ぐ努力をしていることは多とするものの、現在進行形の事態に対して、どうもその歴史解釈に一貫していないところが目につくのである。 私は、このような姿勢でよいのか? という問いを発するためにこの社説を引用する。 2017.10.31 05:01更新 【主張】 カタルーニャ問題 欧州主権国家の分解防げ 独立の是非を問うため10月1日に住民投票を強行したスペイン東部カタルーニャ自治州の州議会が、「独立宣言」を可決した。 独立を認めない国側は、ラホイ首相が自治権の停止で対抗した。 一連の動きを主導し、州首相を罷免されたプチデモン氏は、独立支持派に「民主的な抵抗」を呼びかけている。一方、州都バルセロナでは「宣言」に反対する人々のデモが行われた。 国との対立が決定的になったばかりか、州内で住民が二分された状況である。決め手となる解決策は直ちに見つからないが、混乱を拡大させないことを最優先に各当事者は動くべきだ。 カタルーニャ州は、スペイン経済の2割を占める。地域の停滞が与える影響は小さくない。日本企業も80社以上が進出している。混乱が長びくようなら、活動の継続は難しくなろう。 そもそも、自治州が行った住民投票には法的根拠がなく、国が認めないのは当然といえる。9割が独立を支持したというが、投票率は4割にとどまっており、住民の総意とも言い難い。 欧州連合(EU)のトゥスク大統領や、欧州諸国の首脳に、住民投票や独立宣言を支持する声はない。プチデモン氏が展望のないまま、行動に移した責任は重い。 バルセロナはサッカーの強豪クラブでも知られる国際的に有名な都市である。カタルーニャの人々は独自の文化と言語を有し、誇りを持っている。それは世界も改めて知った。だが、周囲の懸念も構わず、独立に突き進むことで、理解は広がるだろうか。 住民投票に治安部隊を投入し、大勢のけが人を出した国の対応も適切ではなかった。独立慎重派の反感さえ買ったことが、事態を複雑にした面もある。 州議会は解散され、12月21日に選挙が行われる。どの勢力も拒まず、正常化へつなげてほしい。 独立の動きの背景には、カタルーニャ州が稼いで国に納めた税金が、貧しい地域で使われることへの不満がある。富の偏在は、ユーロ危機以降にEU域内で表面化した問題とも重なっている。 統合の深化には、国家の存在価値を低下させる効果がある。地域独立や自治権拡大の動きが、他の欧州諸国にあることにも、警戒を怠ってはなるまい。 以上産経ニュースより引用 我が国周辺、とりわけシナでは今何が起きているのか??? 考えれば、このような姿勢が、いかにシナに誤解を与える結果となるのかを想像してもらいたい。 明日も続けたい。 文責 上田 和哉 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.11.06 12:40:44
コメント(0) | コメントを書く |