ひそかなミヤワキムーブメント?
彼岸に渡られて名前も「鉄道院周遊俊妙居士」となられてから4年余過ぎた今,なぜか宮脇俊三本が続々と刊行,復刻されているのは,うれしい限り。なんといっても大きいのは,長らく絶版状態で幻の名著となりつつあった講談社現代新書「時刻表ひとり旅」が復刊されたこと。ミヤワキワールドへの入門書として,特にお勧め。これを読むと,必ず次のステップへ進みたくなる魔法がかかります。そして,鉄道紀行でありながら写真と無縁であった宮脇文学の世界。しかし,これと写真と見事に止揚したのが,別冊太陽の「宮脇俊三」。宮脇俊三記念碑としても,ぜひファンなら持っておきたい一冊。その他に,短編アンソロジー集である「旅は自由席」,「終着駅は始発駅」,「汽車との散歩」も単行本で復刻され,名著「時刻表2万キロ」,「最長片道切符の旅」も版を重ねて売れているところ。でも,今回もっとも感銘を受けたのは,この1冊。父・宮脇俊三への旅純粋ミヤワキマニアには,ちょっとショッキングな内容も書かれている。晩年は,ほとんど酒の力を借りないと何もできない状態であったらしいことは側聞していたが,当事者の証言となるとやはりリアリティがある。でも,宮脇俊三という作家の人となりを淡々とつづられていて,読むほどに感銘を受けた。で,こういう本を読み出してしまうと,どうも憂き世が嫌になってくる。独身時代であれば,気が済むまで鉄道に乗ることもできたのだが・・・お早くご乗車願います!?↑励みになりますので,よろしかったら押してお帰り下さい。