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カテゴリ:ばくばく冒険小説
トム・クルーズ主演でハリウッド映画化されたという歴史的なSFラノベを読んだ。
○ストーリー 地球を改造するために異星から送り込まれた機械生物〈ギタイ〉の侵略を止めるために,人類は〈装甲ジャケット歩兵〉部隊で対抗していた。そこに配属された青年・キリヤは,最初の戦闘に駆り出されるが,戦死してしまう。だが気付くと,30時間前に送り込まれていて,彼はその時間を何度も繰り返すことになるのだった。わずかな体験から学習し,誰よりも戦闘能力を高めるキリヤの前に,もう1人の能力者が現れる。 ------------ 映画公開の際には人気だったので,この作品を借りて読むことは出来なかった。今になり,なんとか順番が回ってきた。映画のDVD化は11月らしいので,それには間に合ったという形になる。DVD発売の際にはまたキャンペーンがあるのだろうけど,残念ながら映画もそれほどヒットしていないので,どの程度の規模でPRをかけるのかは予想できない。 日本の作品でしかもライトノベルのジャンルから,ハリウッド映画化というのは確かに初めてなので,これは喜ぶべきことだ。マンガやアニメのコンテンツは世界基準として認められているが,小説も同等の優れた魅力があるとして世界に発信していってもらいたい。 ------------ 作品はハードSFの装いを持っている。多くのSF作品や軍隊映画へのオマージュを感じさせつつ,一人称で物語は進む。戦闘シーン以外は,ラノベらしく分かりやすいパターン化した登場人物とのお約束の会話が続くので,かなりスピーディに読み進むことが出来る。 せっかくのSFらしい展開を一気にラノベの世界に戻してくれるのが,メガネ技術系サポート要員の女子,しかも口下手でどもったり,赤面したり,というベタベタのアニメ風キャラの登場だ。この作品でSFの空気を壊すことは止めてもらいたかった。SFもラノベも架空のジャンルだけど,独特の空気感があるのだから,それは混ぜない方がいいと思う。 ------------ さて物語は初年兵・キリヤの奇跡的な戦闘能力の向上と,もう1人の能力者との出会いによって,思いがけない方向へと進展していく。これには驚いた。上に書いたように,ラノベっぽい空気はまといついてくるものの,しびれるほどハードな展開への舵きりは,まさにハードSFの味わいだ。 この容赦ない展開こそ,日本の作品,とくに映画やドラマでは全く欠如しているものだ。映画版はまだ観ていないけれども,どのような決着を付けているのか,ひじょうに興味深い。 一般受けはしないと思うけど,個人的にはオススメ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.10.22 22:18:30
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