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巨匠レオーネの"ワンス・アポン・ア・タイム"シリーズ第1弾。第2弾は『夕陽のギャングたち』(Once Upon A Time In Revolution)、第3弾がもちろん『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』だ。 この映画については多くの方が書かれているので、あらすじは省略するが、大陸横断鉄道の敷設に絡む土地争いや親族の復讐、ならず者の恋など複数の西部劇ネタが織り込まれた大作ウエスタンである。 スタッフでは、ストーリー原案作成にダリオ・アルジェントとベルナルド・ベルトルッチが参加しているのが目を引く。そういえば主人公(チャールズ・ブロンソン)の兄が殺される回想シーンでのヘンリー・フォンダの写し方などダリオ・アルジェント風だし、骨太な大河ドラマという点ではベルトルッチの影響があるのかもしれない。 出演者では情け容赦ない悪役を演じたヘンリー・フォンダが話題となったようであるが、他の出演者も印象深い。 まずは脱獄囚シャイアンを演じたジェーソン・ロバーズ。後に2年連続でアカデミー助演男優賞を獲る名優だ。未亡人ジル(クラウディア・カルディナーレ)に一目惚れするが、寡黙なシャイアンはストレートには言わない。ジルもシャイアンに好意を抱くが、ジルが惚れているのはブロンソンであり、それはシャイアンも分かっている。最後、ブロンソンもシャイアンもジルのもとを去るが、少し行った所でシャイアンは落馬。鉄道会社のモートンを襲った時、脇腹を撃たれていたのだ。ブロンソンに「彼女には言うなよ」と言い残して死ぬ。 もう一人は鉄道会社の重役モートンを演じた、イタリアの性格俳優ガブリエレ・フェルゼッティだ。難病に冒されていて余命幾ばくもないが、鉄道開通に全精力を傾け、そのための強引な地上げも辞さない。部下のヘンリー・フォンダの地上げが殺人にまで発展するようになると危機感を覚え、フォンダの手下を金で釣りフォンダを襲わせる。手下を返り討ちにしたフォンダがモートンの所に戻ると、モートンはシャイアン一党に襲われて瀕死の状態で地面に横たわっていた。最早自力で立つこともできないモートンを放置してフォンダは去る。そしてモートンは目の前の水たまりに太平洋の波を見て死んで行く。 登場人物は誰一人として(敵も味方も)安閑とは生きていない。これは他のレオーネ作品でも同様で、独特のヘビーな世界を築いている要因だ。 しかし一応マカロニなので(アメリカで撮影はしたが)、ジョン・フレデリックやジャック・イーラムなどの脇役もちゃんと出ていて嬉しい。音楽はもちろんエンニオ・モリコーネ。いつものように女性のヴォイスを使ったテーマ曲が素晴らしい。 監督:セルジオ・レオーネ 製作:フルヴィオ・モルセラ 原案:セルジオ・レオーネ/ダリオ・アルジェント/ベルナルド・ベルトルッチ 脚本:セルジオ・レオーネ/セルジオ・ドナティ 撮影:トニーノ・デリ・コリ 音楽:エンニオ・モリコーネ 1968年・イタリア=アメリカ / 141分 / 評価:5.0点 / 子供:○ ウエスタン スペシャル・コレクターズ・エディション ◆20%OFF! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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