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カテゴリ:Movie
フェリーニの『カビリアの夜』をニール・サイモンがミュージカル化した舞台の映画化。舞台と同じ故ボブ・フォッシーが監督・振付を行なった。フォッシーの映画初監督作品でもある。主演はシャーリー・マクレーン、音楽はドロシー・フィールズ(作詞)・サイ・コールマン(作曲)。 舞台はニューヨーク。ダンスホールのホステス、チャリティ(シャーリー・マクレーン)は、デートの最中、彼氏に財布を奪われ池に落されて逃げられても、じきに気を取り直す前向きな性格(ある意味楽天家)。 ある晩、有名な映画俳優ヴィットリオ(リカルド・モンタルバン)と知り合い、彼の家で楽しい時を過ごすが、ヴィットリオの恋人が現れ、クローゼットの中に隠れている内に眠ってしまった。ヴィットリオとはそれっきりだが、彼からシルクハットとステッキを貰って上機嫌なのだった。 ダンスホールに嫌気が指してきたチャリティは職業紹介所で職探しをするが、小学校卒では働き口はない。ガッカリして帰る途中、エレベータが故障。たまたま乗り合わせた保険会社勤務のオスカー(ジョン・マクマーティン)と意気投合し、交際を始める。ついにオスカーから結婚の申入れがあり、もちろんOK。ダンスホールの連中も盛大なパーティを開いて祝福するのだが、いざ役所へ届出の段になってオスカーが躊躇。真面目人間のオスカーはチャリティを愛しながらも、どうしても彼女の過去が気になってずっと悩んでいたのだ。結局届出をせず、オスカーは去ってしまう。 ストーリーも良いが、何と言ってもシャーリー・マクレーンの熱演が凄い。芸達者だから演技は言わずもがなだが、歌とダンスもナカナカで、最初に観た時はビックリした。相当練習したのだろう。演技の方も、いつも愛し愛されることを夢見ている、純真な女性を見事に演じている(当時35歳ではあるが)。オスカー役のジョン・マクマーティンは舞台でも同じ役。監督もお気に入りだというサミー・デイビス・ジュニアがサイケな伝道師に扮している。 そして、ボブ・フォッシー振付のダンスシーン、斬新な映像は圧倒的だ。ヴィットリオと出掛ける高級ディスコ(秘密クラブ?)"ポンペリ・クラブ"のスタイリッシュな集団ダンスはとにかくカッコいいし、場面のカットバックや字幕の挿入など画期的。チャリティが同僚のホステスとビルの屋上で踊る場面も有名だが、圧巻はサミー・デイビス・ジュニア扮するビッグ・ダディの集会のシーン。これほどサイケなダンスシーンはないだろう。個人的には鼓笛隊となってニューヨークの街を踊り歩くシーンが好きだ。 さて本編はオスカーに去られて失意のチャリティが、また新たな愛を求めて立直っていくところで終るが、現行のDVDにはハッピーエンド・バージョンが収録されている。こちらのオチは冒頭のシーンと相対しており、違和感は無い。う~ん、こちらの方がいいかも。そしてこちらにはチャリティの名台詞が。 「どん底の時に自殺するなんてアホなことはしないわ。あとは良くなるだけなのに。」 監督:ボブ・フォッシー 製作:ロバート・アーサー 脚色:ニール・サイモン / ピーター・ストーン 撮影:ロバート・サーティース 美術:アレクサンダー・ゴリッツェン / ジョージ・C・ウェッブ 編集:スチュアート・ギルモア 衣装:エディス・ヘッド 振付:ボブ・フォッシー 1969年・アメリカ / 147 分 / 評価:4.5点 / 子供:○ ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン スイート・チャリティ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 3, 2006 09:31:32 PM
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