健康的に生きる-健康と豆2
“健康と豆”の続きです。 日本人は昔から豆類をとても大切に扱ってきました。特に大豆を発酵させて作る味噌や醤油、納豆などは日本人の食文化の代表です。日本人が“豆”をいかに大切な食べ物として扱ってきたかは、日頃使っている漢字の中に表れています。頭 ・・・ 豆を食べると頭が良くなる喜 ・・・ 豆を食べるとからだが喜ぶ豊 ・・・ 豆を食べるとこころが豊かになる登 ・・・ 豆を食べると体力がつく厨 ・・・ 豆は食事を作る大切な場所の主役このように、豆という字が入っている漢字がいくつかあります。 豆には、これから発芽して成長し、また新たな生命を育むためのエネルギーが凝縮されているんですね。一つの生命体を育むための源をいただくことは、食べ物を丸ごといただく「健康的に生活するための理想的な食べ方」ということです。豆の一粒の中には、生命体を維持するために必要な栄養素が自然そのままの理想的なバランスで含まれているということですね。 では、豆類にはどんな栄養が含まれているのでしょうか。人間に必要な栄養素は、炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素に、ビタミン、ミネラルを加えたものが五大栄養素と呼ばれています。これらの栄養素が柱となって私たちの体を支え、調子を整えてくれています。その中で、体に効率よく利用されるたんぱく質がたくさん含まれている主な食べ物として、肉や魚の動物性タンパク質に対して、豆類は植物性タンパク質としてあげられます。その豆類は、大きく分けると二つのグループに分けられます。炭水化物主体グループの豆あずき、ささげ、いんげんまめ、花豆、えんどう、そらまめ、ひよこまめ、レンズ豆等がこのグループに属しており、乾燥豆の重量の50%以上が炭水化物です。また、これらの豆は、たんぱく質を約20%と豊富に含む一方、脂質は約2%とほとんど含んでいません。このため、健康維持やダイエットに最適な"低脂肪・高たんぱく"食品ということができます。脂質主体グループの豆大豆及び落花生がこのグループに属しています。大豆は、乾燥豆重量の約20%が脂質で、搾油原料として世界的に広く利用されています。また、たんぱく質も30%以上と非常に多く、「畑の肉」と呼ばれるのはこのためです。一方、炭水化物の含有率は約30%で、炭水化物グループの半分程度となっています。落花生は、脂質の含有率が約50%と極めて高く、たんぱく質も25%あり、大豆とほぼ似通った栄養成分構成となっています。また、どちらのグループに属する豆も、ビタミンB1、B2、B6等のビタミンやカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等のミネラルを豊富に含んでいます。と、このように豆類はタンパク質を多く含んでいるだけでなく、五大栄養素を多く含んでいるということがわかります。まめに豆を食べて、こまめに動きましょう