さらば赤プリ
昨日30日が宿泊最終日、今日12時のチェックアウトをもって赤プリ、現グランドプリンスホテル赤坂がホテルとして55年の歴史の幕を閉じます。解体工事までの期間を原発事故で避難する福島の方々の避難所として利用されるというニュースがありましたが、純粋なホテルとしての最後の姿を見届けようと、時間がほとんど無かったので駆け足の訪問になりましたが、とにかく、赤プリに別れを告げてまいりました。東日本大震災の影響で節電対策の為に照明が控えめに。想い出のロビーラウンジも既に営業を休止、このまま閉館を迎えてしまうようです。照明の強弱だけでこうも雰囲気が一変するのか・・・。節電は仕方ないとはいえ、閉館に向かう寂しさに拍車をかけているようでした。新館ロビーや別館への連絡通路等に写真パネルが掲げられて、思い出の写真展が開催中でした。赤坂見附周辺の今昔の写真や、新館の建設工事の写真等、貴重な写真が一堂に会し、赤プリ55年の歴史を一気に振り返ることができました。それにしても、5年前にキャピトル東急ホテルで賑やかな閉館セレモニーと別れを惜しむ大勢の人々の姿を見ているだけに、本当に閉館してしまうのかと疑ってしまうほどのあまりにも対照的な静かで粛々とした雰囲気に驚かされました。ロビーに展示された赤プリの歴史年表を眺めていると、この丹下健三設計の新館は1983年に開業という記述が。私が上京し、東京での生活を始めた1ヶ月前の開業。私の関東暮らしの歴史がそのまま赤プリ新館の歴史だったと思うと、余計に愛おしくなって閉館が残念でなりませんでした。新館は28年間、赤坂プリンスホテルで開業してから55年。これ以上ない個性的な外観で赤坂見附のランドマークとなり、バブルの頃はトレンディスポットとして賑わった最高峰ホテルのあまりにも静かな幕引きの姿がかえって印象的でした。さらば、赤プリ。長い間お疲れ様でした。これから解体までの最後の数ヶ月、被災者の方々にとって快適な安らぎの空間になる事を願うばかりです。