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カテゴリ:映画
父親とキャッチボールをしたことのない女性には映画「フィールド・オブ・ドリームス」の良さはわからないだろう。また、設定や題材だけで嫌ったり否定する人も多いから、5人の男が「秘密の隠れ部屋」を共有するというこの映画は、そうした設定だけで言下に「くだらない」と色眼鏡で見る女性は多いにちがいない。
しかし、これは紛れもなくサスペンス映画として一級であり、映像・脚本・構成・キャスティングなどどれをとってもレベルが高い。ベルギー映画をリメイクしたオランダ映画だそうだが、蠍座のような映画館で上映されるのでなければ知らずに終わったと思うと非常に得をした気分になる。 みなからの信頼の厚い建築家のよびかけで、5人の男が新築マンションの最上階にロフトルームを共有する。ほとんどは妻帯者。彼らはそこで秘密の情事を楽しんでいた。しかし、ある朝その部屋で一人の女が死んでいた。部屋の鍵を持っているのは5人だけで、必ずその中に犯人がいる。5人は集まってお互いのアリバイを確かめながら犯人を探していく。 誰が犯人だったかを推理で当てることのできる人はいないと断言できるほど、各人の秘密や嘘が絡まって、こみいった事情がさらにわけがわからなくなっていく。 断片的な会話の、意味の含有率の高さに圧倒される。女性にもてない男の悲哀、女の残酷さやずるさも上手に描かれている。 いちばん犯人らしくない男が実は犯人だがほんとうの殺人犯はいちばん犯人らしい男だった、しかし殺すつもりはまったくなかった誤認殺人だったというのが結末。 この映画が「浮気はダメ」の教訓映画にならなかったのは、5人の男のうち、娼婦をほんとうに愛した精神科医とその娼婦の再会シーンがラストにおかれているから。 誰もがその再会を祝福したくなるわけではないだろうが、いい映画を題材だけで否定するバカを識別するのに使える映画だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
July 10, 2012 11:49:44 AM
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