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2010年04月20日
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「エル・フィン=クレインヴァー少尉、本日任命により着任しました」

中型移送艇の作戦会議室。扉を開けた金髪の青年が敬礼し、次の瞬間表情を固まらせた。

「堅苦しい挨拶は抜きで良いよ、エル・フィン。御苦労さま」

にこやかにアルディアスが言う。現在この軍議を仕切る立場にあるデオンも、朱色の瞳で面白そうに彼を見ていた。

「まあ、そっちに座れ。挨拶もこれ以上はいらない。軍議をはじめるぞ」

旧友のデオンに言われたエル・フィンが、上司の隣の空いた席に座る。無表情ながらその顔には、なぜこの方がここにいるのだ?と書いてあった。
 
「役者がそろったから、これからの作戦を説明する」

デオンが口火を切り、今回の作戦の説明が始まった。



部隊の人間を貸して欲しいという要請があり、それが少し揉めていると聞いたのは一昨日のことだ。
アルディアスが話を聞いてみると、貸してほしいと言われているのはエル・フィンだという。
彼は現在、秘密裏にアルディアス直属の部下となっていて密に連絡もとっているが、形式上は部隊の下士官でしかも地方に左遷されたことになっている。

それで、貸せない、いや困る、という押し問答が続いているらしかった。依頼をしてきているのはエル・フィンの旧友の中尉とかで、なかなか引かないらしい。

「わかった、私が話を聞いてみるから執務室の端末に回してくれ」

副官に言うと、しばらくして机上の端末が切り替わった。

「失礼いたします。デオン・グラッシェアンス中尉です」

画面に現れたのは、獅子を思わせる濃い金髪に朱色の瞳をした精悍な男だった。年齢は二十代後半から三十代、エル・フィンやアルディアスとほぼ同じくらいだろうか。

現在数人の一小隊をひきいて地方赴任しているが、そこで私設護衛団の訓練施設が、軍に対する反逆拠点になっているようだから、その裏取りのためにエル・フィンを貸してほしいということだった。

はるかに階級が上の准将に対しても、媚びも臆しもせず話すところにアルディアスは好感を持った。

「なぜエル・フィンを単独指名で? 確かに彼は強いが」
「その強さを含めて気心が知れているからです」

静かな自信をもって男は言った。

「私の隊は人数が少ない分、一枚岩といっていいと思います。そこに助っ人を入れるならば、その人となりと強さの両方をわかっている人間でなければ、奴らは納得しません」
「ふむ。では、そうまでして助っ人を入れる理由は? その自警団訓練施設というのは、そんなに匂うのか」

するとデオンは口をつぐみ、わずかに左右を確認するそぶりを見せた。
検閲の入る通常の端末回線では言えないことか。アルディアスは回線を将官用の極秘回線に切り替え、デオンに知らせて応答を待った。

「……まだ空中から軽くチェックしただけですが、施設設備が大仰にすぎます。あれを作るだけの金も必要性も、ただの護衛団ならばあるとは思えません」
「軍に対する反逆拠点かもしれない、と」
「はい。ただ腑に落ちないのは、偵察艇が持ち帰った写真の中で、奴らが所持している武器に軍制品が多く見受けられることです」
「……内部に通じている存在があるということか」

デオンのうなずきをうけて、アルディアスは腕を組んで考え込んだ。
思い当たることがひとつある。
エル・フィンを襲った暴行集団と、アルディアス自身を暗殺しようと動いた誘拐集団、そしてその私設護衛団。
どれもが地下で繋がっているなどということがありえるだろうか。

しかし、誘拐集団の手口は巧妙で、いまだにあの街では被害が表沙汰にされていない。失踪した子供達はきれいに消えてしまい、単なる家出件数として数えられている。

血なまぐさい映像を収めた「商品」を作るにも、そしてその後の始末をつけるにも、それなりの大きさの施設が必要だろうと思っていたところだった。

探していたピースがはまってゆく感覚。そしてそれ以上に、脳裏を横切るまだ見ぬ映像の断片。
アスファルトの灰色の壁、大きく掘り下げられた穴、そしてそこに見えるのは……。

一瞬、時間をつかさどる神の託宣が降りたかもしれなかった。
銀髪の男は目をあげ、画面に映る相手を見た。彼ならば信用がおけそうだ。

「グラッシェアンス中尉、まだ極秘情報ですべてを話すわけにはいかないが、エル・フィンのことと絡んで、こちらで追っていた案件と重なるかもしれない。ちょっと聞いてくれるかい」
「はっ、フェロウ准将」

そしてアルディアスは、エル・フィンとのいきさつから現状までをざっとかいつまんで話した。
聞いていくうちに、デオンの顔が険しくなってくる。

「では……それらが関わりがあるかもしれないと」
「まだ私の勘だけどね。残念ながら当たることが多いんだ。だとしたら、一刻も早く叩き潰したいが」

ちらりと隣に立つ副官を見やる。
明るい茶色の髪をしたニールスは、心得て手帳を繰った。

「今年は八日後から神殿に行かれる予定になっております、アルディアス様。それ以前に片をつけるのでしたら、三日後……いえ、明後日ご出発できるようにいたしますが、作戦は移動日を含めて四日間が限度ですね。神殿での訓練の日程も入っておりますし」

暑い日々、もう夏の大祭が近い。それはアルディアスが神殿に戻らねばならない時期が近づいているということだ。
まして今年はリフィアの訓練もある。時機を逃すわけにはいかなかった。

「正味三日ほどか……、短期決戦だな。グラッシェアンス中尉、他に応援は?」
「こちらの部隊から八名の小隊がひとつ着いております。ですがもし施設制圧ということになるならば……」
「もうひとつくらいは最低限必要だろうね。ニールス、待機中の隊はあるか?」
「ございます。アルディアス様よりも早く、明日には出立させられますが」

優秀な副官はてきぱきと言った。

「では、そのように手配を頼むよ」
「かしこまりました。クレインヴァー少尉への命令書は、守護竜に運ばせて同時に移動着任、でよろしいですか」
「ああ、よろしく」

一礼してニールスが部屋を出て行くと、デオンが少し目を瞠っていた。

「神殿にお勤めでいらっしゃるという噂は、本当でしたか」
「噂ではないよ、軍の正式記録にも載っているだろう。大祭の神事を執り行わねばならないんだが、私は罪深いのでね、毎年事前にみっちり精進潔斎が必要なのさ」

笑みを含んでアルディアスは答える。
それから表情をひきしめると、では明後日、と言って通信を切った。



移送艇で移動しながらの軍議ではとりあえず、まだ勘にすぎない誘拐集団とのかかわりは伏せてあった。
艇がポイントに着き次第、まずはデオン、エル・フィンとともに三人で敵情視察の手はずになっている。

艦橋に歩くアルディアスを、見知った顔が呼びとめた。昨日先に到着した小隊に属する男だ。

「あんた、なんでこんなところに来るんだ。いいのか?」
「やあオーリイ。今回の作戦は特別でね、私も興味があるんだよ」

銀髪の男がおだやかに答える。相手のつややかな黒髪に濃い青の瞳は、以前一緒に戦場に立ったときと変わらない。

「相変わらず昇格を嫌がってるんだって? 私としては、君に小隊くらいは任せたいと常々思っているんだけどね」
「やめてくれよ。人の上に立つなんて、ガラじゃねえ」

オーディンは広い肩をすくめた。実戦経験が長く、何度か昇格の内示が出ているのだが、柄じゃないからとごねて嫌々曹長だけ拝命しているのは有名な話だった。

「私だって好きでこの位置に立っているわけではないよ」
「あんたはそこにいなけりゃ。あんたみたいのが上にいるから、俺らが気ままにやってけるんだ」
「やれやれ、わがままだな」

アルディアスが苦笑する。ふふんとオーディンが笑ったとき、急にハッチのあたりが騒がしくなった。どうやらエル・フィンと、デオン隊の一人がやりあっているらしい。
アルディアスは傍らのデオンを振り返った。

「なかなか血の熱いのがいるね」
「恐れ入ります、准将。エルンストでしょう、新参でエル・フィンを知りませんし。まあ、ここで彼の実力を見せておけば、後がやりやすいですからね」

しれっと答えるデオンに、けしかけたな、とアルディアスは笑った。
エル・フィンが滅多に負けるとは思われないから、デオンの判断は正しいだろう。

「では見物、いや治めに行ってきますが、准将はどうなさいます」
「ここでいいよ。私まで行ってはことが大きくなる。観たいのは山々だけれどね。オーリイは?」
「俺は適当に」

それでも敬礼してアルディアスと別れると、デオンの属する部隊の者たちが不思議そうにオーディンを取り巻いた。

「准将に対して、いつもあんな言葉遣いなのか?」
「ああ、俺は敬語なんて使えねえから。でもあの人の部隊では一度も怒られたことはないぜ」
「へえ……普通なら懲罰ものだけどな。けどお前を見てると、尊敬してないってわけでもないんだよな?」

その声に、オーディンはやや眉をつりあげた。

「当たり前だろ。すげえぜ、あの人は……。そうか、お前らあの人の実戦を見たことがないんだな」
「あんな優男だもんな。剣を振り回してるとこなんて想像つかないよ。お前はあるのか、オーリイ」
「おうよ。あの人が大佐だったとき、命令系統の不備で敵艦に取り残されたことがあったろう。あの時に俺もいたのさ。適わねえなと思ったよ」
「へえ……」

実戦たたき上げの男が口にした飾りない言葉に、周りの兵士達が嘆声をあげる。この作戦ではその姿を見ることができるのだろうか。

彼らは話しながらハッチに向かい、エル・フィンの対戦を見物した。かの金髪碧眼の青年は、アルディアスの直属の部下だという。ならば上司の腕も見ていれば想像がつく。
大方の期待を裏切らずあっさりとエル・フィンが大勝したので、ひそかにオーディンは笑った。そうでなくては。

銀髪の男が椅子にかけてしばらく待っていると、ハッチ方向から「アイ・サー!」という唱和が聞こえた。一戦は終わり、また偵察ポイントにも近づいたのだろう。
アルディアスは剣を携えて立ち上がった。

















<ただの物語 断片43 作戦> エル・フィンさん
http://elfin285.blog68.fc2.com/blog-entry-171.html



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【銀の月のものがたり】 道案内

【第二部 陽の雫】 目次



普段は上司のゆる巻きに本気で懊悩する太平楽ですが、やるときはやる部隊なのです 笑


さて今夜の生命の海ヒーリングですが。
なにしろ実験君ですからね~。除去できたらラッキー♪くらいの気軽なお気持ちでどうぞです~
そして、3次元での排出が必要と書きましたように、たとえばトイレの回数が増えるかもしれませんがよろしくお願いします (爆


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最終更新日  2010年04月20日 10時38分27秒
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