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ドラッカー名著集(8) P・F・ドラッカー「ドラッカー名著集8 ポスト資本主義社会 (ドラッカー名著集 8)」 訳は、上田 惇生さん。 1993年刊・・ですが、「ドラッカー名著集」として、昨年発刊されたもの。 昨夜、草津温泉に浸かりながら、読んでいた本。 ・・っていいつつ、人がいると湯船では読めないので、食後すぐ誰もいないタイミングと、 後は、足湯に浸かりながら・・ ポスト資本主義社会・・・ 50年前ならば、その最有力候補は、社会主義・共産主義だったかもしれませんが・・ 資本主義そのものが持つ矛盾、 プロレタリアの疎外と窮乏化、 そしてプロレタリアそのものをなくしたのは、 「生産性革命」だったこと。 ○年間労働時間 1910年 3000時間以上 1990年時点 日本 2000時間 米国 1850時間 ドイツ 1600時間 ・・80年前に比べ、1時間当たり、50倍の生産性 前半、そもそもの資本主義の中で主要な役割を果たす国民国家の成立過程と その特徴を振り返ります。 国民国家の成立後に、超国家的なものが出てきたのではなく、その逆であったこと。 ナポレオンの登場後、国民国家が成立したこと。その国民国家は、 「福祉国家」「経済国家」「租税国家」「冷戦国家」の4つの側面を持ちつつ、 メガステイトの様相を呈したこと。 しかし、このメガステイトとしての国民国家は、新しい現実・・ グローバリズム、リージョナリズム(地域主義)、トライバリズム(部族主義) に直面している。 ところで、 「仕事は長い間、教養ある人たち、豊かな人たちの注目に値しなかった。 それは奴隷のすることだった。そして、より多くを生産するための唯一の方法は、 より長く働かせるか、より懸命に働かせるかだった。」 そして、 「仕事そのものについての歴史は、いまだに書かれていない。 知識についても、哲学的な思索はなされてきたが、その歴史については書かれていない。」 本書は、この問題認識に答える・・という位置づけ。 ○知識の生産性を上げる 「ポスト資本主義社会においては、いかなる分野においても、 知識を有する者は4、5年おきに新しい知識を仕入れなければならなくなる。 さもなければ、時代遅れとなる。」 「知識の生産性を上げるには、 第一の原則として、目標を高く掲げなければならない。・・ 日本企業のカイゼンも、ステップの一つひとつは小さい。ここを少し変え、あそこを少し 手直しする。しかし、目標は、一歩一歩の手直しによって、数年後にはまったく異なる生産工程、 製品、サービスを生み出すことにある。目標は、違いを生み出すことにある。 ・・第二の原則として、焦点を絞らなければならない。 知識を集中しなければならない。個人であれチームであれ、知識の生産性を上げるには 目的と組織が必要である。・・厳しい仕事である。 ・・第三の原則として、変化の機会を体系的にとらえなければならない。・・ ・・第四の原則として、長期と短期のバランスを図らなければならない。 カイゼン、展開、イノベーションのいずれにおいてであれ、知識の生産性は長い懐妊期間を 必要とする。しかも、短期的な成果ももたらさなければならない。・・」 以上に加えて、さらに「結合せよ」、と。 「結合によって知識の生産性を上げることは、個人、チーム、組織のいずれにとってであれ、 かなりの程度学ぶことができる。そして、やがては教えることができるようになる。 結合には、問題定義のための方法論が必要である。おそらくそれは、今日流行の問題解決の ための方法論以上に重要である。」 それは、「未知なるものの体系化」と呼ぶべきものである、と。 <目次> 歴史の転換期;第1部 社会 (資本主義社会から知識社会へ 組織社会の到来 資本と労働の未来 生産性;組織の社会的責任) 第2部 政治 (国民国家からメガステイトへ グローバリズム、リージョナリズム、トライバリズム 政府の再建 社会セクターによる市民性の回復) 第3部 知識 (知識の経済学 教育の経済学 教養ある人間) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.05.06 00:09:58
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