カテゴリ:書評・読書メモ
工藤美代子「なぜノンフィクション作家はお化けが視えるのか」(中公文庫) 2012年刊 「もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら」が良かったので、 続いて手に取った本。 24ある話の中で、特に印象に残ったのは、 「行ってはいけない土地」と、 トイレに入ると「ママ」という声が聞こえるお話でした。 ところで、あとがきで、死霊と生霊のどちらが怖いか、が書かれていますが、 工藤さんのお父さんは、何人もの生霊に憑かれていたいたそうですが、 『生霊がなんだ。あいつらは俺を訴えることも殴ることも出来ないんだぞ』 といって、天寿を全うされたそうですから、 バイタリティ溢れていれば、死霊も生霊を寄せ付けることはないのかもしれません。 なので、一番やっかいなのは、生きている人間なのかもしれません。 ≪変な話だけど、私は子供の頃から、人間には現実の世界と夢の中の世界と、 二つの世界があるとずっと信じていた。 つまり、眠っている間に夢を見る場合、それは実は夢じゃなくって、 もう一つの世界に自分が行って、そこで生きているのだという考えだ。≫ <目次> 中国娘の掛け軸 カーキ色の涙 「ママ」と呼ぶ声が 夫婦の秘めごと 誰かの手が チャイムが鳴った あなたを信じるわ 私に似た人 里帰り じゃあ、死んだら アソール公爵の館で 淋しい人たち 行ってはいけない土地 人肌が恋しくて 聞き取れなかった言葉 夢の出口 三島の首 魔性の人形 虫の知らせ 肉親の愛情 あるひ突然 酒場の約束 背中が語る そっくりな顔 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.12.03 21:16:37
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