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システムエンジニアの晴耕雨読

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2017.02.05
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第三の産業革命 経済と労働の変化<角川インターネット講座10> (角川学芸出版全集)

監修 山形浩生

2015年刊



序章 ネットが招いた変化から未来を読み解く 山形浩生

≪本書はネットがいかに産業、そして経済を変えるかを扱おうとしている。

 でもその前提として、まずはインターネットがいかに産業を変えていないか、

 いかに既存の産業の延長線上にあるかを理解することが重要だ。

 それを押さえておかないと、目先の変化に踊らされる浮わっついた話のオンパレードとなってしまう。≫

 本書にある論文のいくつかは20年前に書かれたものですが、

 そこでの洞察は、現在でも有効です。
 
≪それはネットのもたらす産業変化-ソフトウェア産業を筆頭としてほかの多くの分野にもあてはまる-

 というのは、既存の一部の産業ですでに見られたものだということだ。≫


 たとえば、1996年に書かれたポール・クルーグマンの「ホワイトカラー真っ青」・・ 

≪目先のトレンドや一時的な技術の流行廃りに踊らされず、大きな動きの本質を押さえると、

 ここまで見通せるのか!≫





第1章 「ネットワーク経済」の法則 カール・シャピロ

≪本書のテーマは、普遍的な経済原則が現代の激しいビジネス環境のもとでもわれわれの指針と

 なり得る事実を示すことである。

 技術は変貌する。

 しかし、経済法則は変化しない。≫

 ・・100年前の電話システムの出現とその後に起こったことは、

 現在のインターネットと相似形である。


≪ビジネス戦略における重要な課題は決定的多数の獲得であり、獲得したあとは仕事がもっと楽に運ぶ。

 ひとたび大多数の顧客獲得の足場を固めれば、市場は自ずとでき上がる。

 しかし、優れたテクノロジーを手にするだけでは成功はおぼつかない。

 攻撃的な価格づけというようなマーケティングツールを駆使して、プラスのフィードバックを

 引き起こさなければならないだろう。≫



≪価値の高い知的財産を保有していながら、決定的多数の獲得が課題になっているときは、

 次のどちらかの手を打つか、決断しなければならない。

 すなわち、そのテクノロジーが自ら徹底して管理できるデファクトスタンダード、

 つまり事実上の標準になると見込んで独自に推進するか、

 あるいは多様性を許す”開放化”政策をとることによって決定的多数の獲得をめざすのか、

 そのどちらかだ。≫



≪独自路線の戦略とは、一般的には標準に「なる」ための競争をするということだ。

 対照的に、公的な標準化作業のプロセスに加わること、

 すなわちある特定のテクノロジーを推進するために味方を集めることは、

 ある標準の枠内で競争することを意味する。≫




第2章 ホワイトカラー真っ青 ポール・クルーグマン

≪1990年代にはほとんど誰もが、個人にとっても国家にとっても教育こそ経済的成功のカギだと

 信じていた。≫

 多くの仕事は、世界文学なんか勉強しなくても、それなりに知的な人物であれば十分こなせるものになった。

 学位に経済的な価値がほとんどなくなり、高等教育の見返りは得られなくなった。

 その結果、ハーバードなどは19世紀と同じく、学術研究の場から社交の場になった。


 知識経済から有名人経済へ・・

≪今日では、見事はソフトを開発すれば、明日にはみんなネット上から無料でそれをダウンロードしてくるだろう。≫

 現在、レコーディングは、コンサートの広告としての役割を果たしている。

 「人は無料のコンテンツで自分の名声を確立する。

  そのあとで、出かけていってそれの乳を絞りとる」(エスター・ダイソン)









<目次>
《第一部 インターネット経済の原理》
序章 ネットが招いた変化から未来を読み解く 山形浩生(評論家、翻訳家)
第1章 「ネットワーク経済」の法則 カール・シャピロ(カリフォルニア大学バークレイ校教授)/ハル・ヴァリアン(カリフォルニア大学バークレイ校教授、グーグル・チーフエコノミスト)
第2章 ホワイトカラー真っ青 ポール・クルーグマン(プリンストン大学教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授)
《第二部 産業の変化》
第3章 ノウアスフィアの開墾 エリック・レイモンド(プログラマー)
第4章 メディア化する企業 小林弘人(株式会社インフォバーン共同創業者、株式会社デジモ代表取締役CEO)/柳瀬博一(「日経ビジネス」チーフ企画プロデューサー)
第5章 メイカー運動とファブ社会 田中浩也(慶應義塾大学環境情報学部准教授)
第6章 情報、文化、コンテンツ産業 田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授)
《第三部 産業をとりまく環境》
第7章 情報による新しい労働形態 比嘉邦彦(東京工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科教授)
第8章 インターネットと都市 小長谷一之(大阪市立大学大学院創造都市研究科教授)
第9章 インターネットと金融 斉藤賢爾(慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、一般社団法人アカデミーキャンプ代表理事)
第10章 社会という「系」の行方 山形浩生





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最終更新日  2017.02.05 20:27:05
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