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カテゴリ:国家と文明(市場原理主義と社会主義)
『資本論』第13章「機械と大工業」の文章
前記事で私は資本論の方法として「上向法」(例えば商品や労働力といった抽象的な要因を他の要因と関連させ、より大きな具体的全体〔資本制生産様式の総体〕を明らかにすることを目指しつつ総合的な探究を進める)の意義を主調しました。しかし、マルクスは科学の方法としてそれだけを強調したわけではありません。 このように分析・抽象化して「本質をとりだす」ことから探究をはじめ、機械や技術がどのように(連鎖反応的に)発展し、「資本制生産様式」・「近代社会」がいかにして成立していったのかを見事に解明していくのです。
さて、 『国家と文明』 内容15 で私は竹内芳郎の提唱する〈世界=内=認識〉、〈世界=内=科学〉の図を紹介しました。 第一に、弁証法的(総合的)認識の意義を確認すること、第二にそのような認識を「社会(歴史)の中に位置づけて相対化」する道を開いたことです。それは前回述べました。 そして第三に「主体=個々人の具体的経験」を大切にし、絶えずそこへ立ち戻っていく姿勢につながっていくこと、これも大きな意義だと考えられます。 竹内芳郎は次のように述べています。 「あらゆる科学は具体的経験の抽象化であり、その抽象化の仕方に応じて個別諸科学が成立する。しかし、その抽象化の母体である具体的経験を忘却した時、科学は深刻な人間疎外をもたらす。」 『国家と文明』の復刊要請はこちら ですので、よろしくお願いいたします。 また、著者の竹内芳郎が主宰してはじめた「討論塾」の概略はこちらです。 日本ブログ村と人気ブログランキングに参加しています 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページに お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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